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Boy's side-27 (ぺージ1/2)

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薬品の香りが充満する冷たい屋内を医療忍者たちが忙しく行き来していた。
とてつもなく暗く感じる廊下を前に、俺はどこに行けばいいのかもわからない。

名無子はどこにいる?
無事なのかよ?

不覚にも不安に押しつぶされそうな自分に冷静さを押し付けて、俺は近くを通り過ぎる医療忍者にたずねた。

「すみません、カカシ上忍の班の者はどこですか……?」
「この廊下の先を右に曲がってください」
「ありがとうございます」

俺は礼を言うと、早口に告げられた案内にしたがい、廊下のつきあたりを右に曲がった。

「――」

目の前の光景に俺は息を飲んだ。
廊下の先で俺を待ったいたのは赤くランプの灯った手術室だった。

なッ……。

言葉を失う俺の目にさらに他の存在が映る。
手術室の手前にあるイスに、足や腕、上半身に包帯を巻きつけた姿のカカシが座っていた。
冷え冷えとした床に目を落としていたカカシが、そばに歩みよる俺に気づく。
顔をあげ、カカシが何かを言おうとして、でも先に口を開いたのは俺のほうだった。

「名無子は? 一緒だったんスよね?」

俺はカカシを射るように見つめた。
そんな俺に、カカシがめずらしく真面目な声で返事を返す。

「今、手術中だ。綱手様が手を尽くしてくれている」
「……」
「すまない」

その一言に俺の中で言いようのない衝動がわきあがった。

すまない、じゃねぇよ!!

次の瞬間、俺はカカシに殴りかかっていた。
カカシの胸ぐらをつかみあげ、俺は思い切りその顔を殴りつける。
無抵抗なままカカシは俺の拳を頬に受け、壁にバンッと背中を打ちつけると地面にズルリと落ちて行った。
そのままもう一度、

「すまない」

カカシはそう繰り返した。
謝られるたび何かがひどく苛立たしくて、俺はカカシに向かって思わず叫んだ。

「ふざけんなよ! アンタがもっとしっかり守ってやってれば、こんなことになんねぇだろうが!!」



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