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Boy's side-23 (ぺージ3/4)

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ったく、ドキドキしすぎだろ、俺。
めんどくせぇー。

名無子が席をはずした隙に、俺は必死に落ち着きを取り戻す。
日本茶に口をつけていると名無子が戻ってきた。
カップをテーブルに置き、俺は名無子に向かって、

「ほら」

昨日のお菓子が入った紙袋を差し出した。
名無子が俺の横に来て、それを受け取る。

「みやげ。やるよ」

恥ずかしさからか、妙にぶっきらぼうな言い方になりながら俺は顔を逸らした。
ガサガサと名無子が袋の中を覗き込み、茶色い紙袋の中からかわいくラッピングされたこんぺいとうが姿を現した。
白や黄色、ピンク、水色、色とりどりの小さなこんぺいとうが透明な包みの中でひしめき合っている。

「なんかこんぺいとうって星に似てねぇ? お前、星好きみてぇだし、気に入るんじゃねぇかと思って」
「……」

名無子からは何も返事が返ってこなくて。

やべぇ。
やっぱ、こんぺいとうなんかで喜ぶわけねぇーか。
ガキじゃねぇんだし……。

後悔の念が一気に俺に押し寄せる。
俺は名無子のほうを見られないまま言い訳がましく呟いた。

「だよな、気に入るわけ――?」

言葉の途中でハッと気づく。
名無子が隣にしゃがみ込んで、その両手で俺のベストをぎゅうっと握りしめていた。

名無子?

うつむく頭の下から名無子のかすかな声が漏れ出る。

「こんぺいとう…大好き…です……。でも……。……さん…も……、……シカマルさんも…いなくなっちゃうの?」

俺のベストを握りしめ、顔をうつむけたままで名無子が聞いてくる。
消え入りそうなその声で。



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