take me out
Boy's side-18 (ぺージ3/3)

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そこまで言って、俺はフッと自分の左肩に増しつつある不自然な重みに目を向けた。

……コノヤロー、寝てやがる。

俺のいいセリフなんか、どこ吹く風。
名無子は俺の肩に寄りかかり、ウトウトーっと寝入っていた。

はぁーー。

俺は空を見上げて大きく溜息を吐いた。
かっこいいハズの俺が霧散する。

ちっとは俺の話聞けっつぅーの!
アメ食いながら寝てんじゃねぇーよ、ったく。

俺はガリガリッとアメを噛み砕くと、名無子の寝顔を不機嫌に睨みつけた。
でも、そんなのは束の間で。
眠っているときは相変わらず無邪気なその表情に、俺は我慢できず破顔する。

卑怯だな、その顔。

俺は名無子を起こさないようにゆーっくり、ゆーっくり、静かに左腕を動かして、名無子の頭にその腕をまわした。
左手で抱え込むように名無子の頭を抱きしめ、自分のほうへ引き寄せる。
俺のそばで安心して眠り込むコイツの姿に、言いようのない愛しさが立ちこめて、俺の体の動きがそこで止まる。
目の前に名無子の柔らかな髪の香りが広がって、俺は落ちるように目を閉じた。

任務中、不謹慎なのは重々承知だけど。
無理だわ。
俺、もうこのまま、動けねぇよ――。

スコンッと抜けた青い空から、温かい日差しが俺達に降りそそぐ。

ナルト、キバ、悪ィ。
もうちょっと、お前らだけでがんばってくれ。





to be continued.
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