Boy's side-17 (ぺージ3/4)
bookmark?そんなとき、
ズリッ……。
え？
俺のベストの中で、背中から何かが滑り落ちてきた。
ヤベッ、こんなときに……！
動きすぎて結び目がほどけてきやがった！！
俺は里を出る前に、ベストの中に荷物を一つ背負ってきた。
その荷を固定していたヒモの結び目が、この攻防戦でほどけてきてしまったらしい。
俺は背中のそれが落ちないよう、必死に胸元を左手で押さえ、ベストごと、中のヒモを握りしめた。
っつぅーか、片手でこの二人をどうサバけって？
俺の頬に汗が伝う。
そんなことなどお構いなしに、敵からはすぐに手裏剣が飛んでくる。
横に飛んでそれを避けた俺は、バランスを崩して膝を地面についた。
その瞬間、
「もらったぁ！！」
「――ッ！！」
体勢を整える間もなく、攻めてくる敵の方向も確認できぬまま、
無理だ、防げねぇーー！！
目を見開いた俺の頬から、汗が重力で地に落ちた。
ガッ！！
「――？！」
武具の抑え込まれた音と、背中に加わった圧迫感に、俺はバッと後ろを振り仰いだ。
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