Boy's side-16 (ぺージ1/1)
bookmark?俺達は木の葉の里を出発した。
林の中を枝から枝へと飛び移る。
俺にだいぶ遅れてナルトがついてくる。
巻物をバックパックにしまいながら、口ではまだ組分けの文句を言っているようだ。
キバがその隣で呼応している。
俺のすぐ斜め後ろには、名無子がいた。
ずいぶん会ってなかったな。
いや、そんな気がするだけか？
いろいろ言いたいことがあったのに全然うまくまとまんねぇ。
心臓ばっかうるさくて。
でも、とにかく言わなきゃいけない一言を。
めんどくせぇーけど、これだけは……。
俺は少しだけ走るスピードを落として、それでも前を向いたまま、
「この間は……悪かったな」
勇気を出して伝えた。
言えたことにホッとする。
でも。
沈黙が怖かった。
名無子がなにも言ってくれないかもしれないと思うと、俺はひどく怖かった。
早く何か言葉を聞きてぇー。
そんな俺の横をスッと名無子が抜いて出た。
その瞬間、俺の耳にアイツの声が届く。
「私、けっこう根に持ちますから」
そう言うと、俺の方を振り向いて、
「今度なんかおごってくださいよ？ シカマルさんっ」
いつも通りのかわいげねぇーセリフと共に、その顔が少しだけいたずらっぽく嬉しそうで、俺の体は一気に軽くなった。
しかも、今、コイツ、『シカマルさん』て、俺のこと、名前で呼んだよな？！
俺はたまらずニヤリと笑った。
「……上等ッ！！」
俺は名無子に言い返すと走る速度を上げた。
後ろにナルト達の声が迫ってくる。
相変わらず、ギャーギャー言ってるけど、俺にはもう全く気にならなかった。
to be continued.
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