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Boy's side-14 (ぺージ3/3)

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……すげぇ、よくわかる。
俺にはよくわかるよ。
アイツの気持ちがのぞけないのは、そう、まるで目の前に氷の膜が張っているようで、その先に進めないから。
そうなんだ、その通りだ。

息を飲む俺の耳にカカシの声が再び響く。

「優しい子なんだよ? その分、傷つきやすいから、まわりに防御壁つくって自分を守ってる。でも、それを無くそうって努力中なの。結構、成果が出てたんだけど、また最近、何があったんだか頑なになっちゃってさ。もう、これ以上、名無子に変な影響受けさせたくないから。できれば明日も連れて行ってほしくないと……って、え、シカマル?」

俺は走り出していた。
さっき来た通路を戻って、火影室へと一心に駆けていく。

あぁ、俺はすげぇバカだ。

カカシに言われて初めて気づく。

ひとりぼっちで脆い自分を守るために、アイツは自分のまわりを囲ってたんだ。
それでも確かに少しずつ、俺には警戒を解いていってくれてたのに。
ちゃんと俺と向き合おうとしてくれてたのに――。

俺の中に、名無しの寝顔が、俺の手をぎゅって握りしめた感覚が、いろんなアイツが浮かんでくる。

俺はアイツのその精一杯の少しずつをわかってやれなくて、待ってやれなくて……。
一人で焦って無意味に逃げ出したんだ。
俺はアイツを、あんなふうに傷つけちまったんだ――。

俺は火影室のドアを勢いよくバンッと開けた。
机の所に立っていた綱手が、何事かと俺を見る。

「綱手ッ…様! 明日、名無しも連れて行きます!!」





to be continued.

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