take me out
Boy's side-14 (ぺージ2/3)
今さら……会えねぇよ。
自分の出した結論を噛みしめる俺の前で、
「あっそ。連れて行かないなら、いいや」
カカシは一気に興味を失って、その場を立ち去ろうとした。
おい、待てよ!
いいや、じゃねぇーよ、こっちが気になんだろ?
「連れてくんだったら何なんスか?」
すかさず質問を浴びせた俺をカカシがシレッと見つめた。
「お前、名無子と任務出たことある?」
「はぁ、ありますけど、一回」
「んじゃぁ、わかると思うけど、名無子って近寄りがたいでしょ? 顔に表情出さないし、言葉も少ないし、思ってることがよくわかんないから。でもね」
俺はカカシの言葉の先を黙って待つ。
カカシは床に視線を落として、カカシらしい穏やかさで断言した。
「あの子、がんばってるところだから。それ、邪魔するようなこと、俺としては触れさせたくないわけ」
言ってる意味が、俺には全然理解不能なんだけど。
眉間にしわを寄せて聞いていた俺に、カカシがパッと目を向けた。
「名無子といると、自分と名無子の間に透明な氷の壁があるような気ィしない?」
え……?
「それ。今、名無子は一生懸命その壁取り払おうとしてるから。がんばってんの。わかる? シカマルにはわかんないかなぁ」
カカシの言葉に、俺は息が止まりそうだった。
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