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Boy's side-12 (ぺージ4/4)

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いっつも踏み込ませてくれない。
名無しの気持ちを俺は知らない。
でも、今日は教えてくれよ。
今ここで、ちゃんと俺に教えろよ――。

祈るような俺の前で、

「…ごめん、なさい……」

名無しはいつもの冷静な表情で、そう呟いた。

「違っ……!! そんな言葉……!」

俺の気持ちが空回りする。

俺が…、俺はそんな言葉聞きたいんじゃねぇよ。
もっと…俺はもっとお前の気持ちを知りてぇのに――。
それじゃあ、何もわかんねぇよ?!

それでも名無しは何も言わない。
ただただ黙って立っている。
それが俺にはひどく悲しくて、我慢できなかった。

「もう……いい。わかった……」

俺の中から何かが零れ落ちていくようで、そんなどうしようもない喪失感と共に、俺は名無しに背を向けた。
その場を離れる。
早く早く離れたかった。
俺はこの場から逃げ出したかった。





俺には言えねぇってことか?
一緒にいたって、俺には思ってること言えねぇのか?
そばにいんのに。
こんなにそばにいんのに。
……わかったよ。
もう、十分わかったよ。

会うたびに、俺はお前の思ってることが知りたくなって、もっとお前の気持ち理解したくて、見せてほしくって、かわいげねぇその表情も、悲しくなるくらい透き通ったその表情も、俺ならすべて受けとめられるんじゃねぇかって、そんなふうに思ってた。

けど……そんなわけねぇよな。
全部、俺の勝手な自惚れだ。

俺はいつの間にか走り出していた。
走って走って、お前から逃げ出していた。





to be continued.

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