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Girl's side-01 (ぺージ1/2)

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林の中に男が立っている。
四十歳くらいのその男は目を瞑って辺りの気配に意識を集中している。

――ッ。

男が目を開けた瞬間、左右の茂みから幼い男の子と女の子が飛びかかってきた。
クナイで攻撃する男の子とそれをサポートするかのように手裏剣を投げる女の子。
それらを軽くかわした男に再度攻撃を仕掛けようと男の子が走り込んだ進路に、同じように攻め込んだ女の子が飛び込む。
二人、うまい具合に鉢合わせ、弾かれると転がってしまった。

「何やってんだよ、名無子!!」

年上の男の子が女の子に向かって叫んだ。
その声にぴぎゃーと泣き声をあげる女の子。
今まで攻撃していた男に近寄って抱きつく。

「父上ー! 兄者が……兄者がぁー!!」
「よしよし。兄者もそう名無子を責めるな」

さっきまでの厳しかった表情とは一変して、父上と呼ばれた男は微笑みながら名無子の頭を優しくなでた。

「わかったよ……」

ブスッとしながらも男の子は女の子のそばに寄ってくると

「じゃあ、もう一回だ。今度は俺の動きもよく見るんだぞ」

名無子の手を引っ張って草むらへと戻っていく。
泣き顔の名無子はちょっと振り返って

「じゃあね、父上」

小さく手を振ると、目の前を歩く兄者の背中をタッタッと小走りに追いかけながら一生懸命話しかけた。

「……兄者、兄者、今度はもっと頑張るね、ね?」

父上……兄者……

父上…兄者…





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