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Boy's side-11 (ぺージ1/3)

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ホントは夕暮れ前に起こすつもりだった。
それで、いつも通り見送って、家に帰らせるつもりだった。
けど、今日はそうしなかった。
あまりにも気持ちよさそうに寝てるから。
それも起こさなかった理由の一つ。
でも本当は、名無しがそばにいることが心地よかった。
だから、あと少しだけ。
あと少し、このままで。





星が光り始める。
あたりはすっかり暗くなった。

「……ん…」

名無しが眠そうに目をこすりながら、のろのろと体を起こした。

「よぉ。起きたか? よく寝てたな。ずいぶん疲れてんじゃねぇか、お前」
「んーー……」

頭はまだ働いてないらしい。
めずらしく名無しの顔に表情が出る。
寝起きの、そのムーっとした名無しが子供っぽく見えて、俺は少し笑った。
名無しにかけてやっていたベストを回収しようと手をかける。

「あ……」

ベストを取ると、名無しが俺に顔を向けた。

「ん?」

と、聞き返した俺の目に

ありがとう。

名無しの目がベストをかけたことに対して礼を言ってるように見えて、

「あぁ、気にすんな」

俺はそう返事した。



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