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Boy's side-10 (ぺージ1/3)

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火影邸を出て、俺は行き場のないムシャクシャを抱えながら、このまま真っ直ぐになんて帰りたくなかった。

あーぁ、確かに今日は朝からツイてない感じだったよな。

地面を睨みつけながら歩いていく。
行き先なんか、よくわかんねぇまま。
気が付けば、やっぱ、ここ。
丘の上の野ッ原。
広い空が見えるこの場所まで来ていた。
ドッカと腰をおろして空を仰ぐ。
そのまま後ろにドサッと倒れた。

広ッ……空。
流れる雲もいつもと変わんねぇ。

そんな穏やかで、自分の存在をことさら小さく感じさせる景色の前で、

クッソー、へコむ。

俺は任務をやり損ねた悔しさのあまり、眼を閉じた。
腕で顔を隠す。

ちきしょー。





しばらくして、静かだった丘に草を踏みしめる足の音がした。

誰か来やがった。
邪魔くせぇー。
俺のが先客だぜ、どっか行け。

俺は寝たふりを決め込んで、ソイツが立ち去るのを待つことにした。
足音が俺のそばまでやって来て立ち止まった。
影が俺を覗き込む。
その影が引くと、今度は俺の隣にストッと座る気配がした。

あぁ、なんだ。

風が吹いて、嗅ぎ慣れた柔らかい香りがした。

お前か、名無し。
久しぶり――。



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