06


今日は休みの日で天気も良かったので久しぶりにショッピングに出掛けた。一人暮らしのアパートへの帰り道、夕暮れに染まる公園で見覚えのある姿を見かけ足を止めた。

「おそ松くん、」

しゃがみこんでいたおそ松くんは怪訝そうな顔をこちらへ向ける。彼は野良猫に餌をあげていた。出会ってまだ間もないけれど、普段の彼からは想像出来ずこんなことをするのは意外だった。

「おそ松くんもこういうことするんだね」

うわー、可愛いなあ…と呟くように猫を撫でると気持ち良さそうに目を細めゴロゴロと喉を鳴らした。スーパーの袋から先程買ったお菓子の袋を少し切り、細かく砕いてから猫の足元へ置く。

「さ、これも食べな」

にゃあ、とか細く鳴くと必死にお菓子を食べ始めた。

「あんた…誰」

「………えっ」

いつも赤いパーカーを着ている彼は、今日は紫色のパーカーを着ていた。


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