おそ松さんは言葉の通り店に足を運ぶようになった。但し競馬やパチンコ等ギャンブルに勝った羽振りのいい時のみ。1ヶ月ぶりにきた時はなかなかギャンブルに勝てなかったらしく、会った途端泣きついてきた。この人私と同い年くらいな筈なのに、それでも少し可愛く思えた。
「あーるりちゃーん、俺もう寂しくて寂しくて」
「はいはい」
「ひとりで吐き出す性欲の惨めさったらもう、」
「もう、おそ松さんったら。たかだか1ヶ月じゃないですか」
この人は本当に自分の欲望に忠実で、私のことも気に入ってはくれているけど単に性的欲望を吐き出す為だ。そりゃ、こんな店に来ているんだから当たり前なのだけど。
「おそ松って呼んでって言ってるじゃん、あといい加減敬語やめろよ」
「うーん、わかった。でも呼び捨ては呼びにくいからおそ松くんって呼ぶよ」
おそ松くんは渋々「うーん、まあそれでいっか」と納得して私をベッドに縫い付け首筋を舐めあげた。おそ松くんは同い年くらいなのにこうやってスイッチが入ると途端に色気が増す。そうすると私も何だか気分がのって彼を気持ち良くしてあげようと思えるのだ。それは客としてと言うよりも個人的な感情のように思えた。