47


ずっと、探してたもの。ずっと、憧れていたもの。ただ普通に「愛されたい」そんなアタリマエの幸せが欲しかった。羨ましかった。イイコにしてても、愛は貰えない。だったら、イイコでいる必要なんてない。大人になるにつれて、流れ星が叶えてくれるなんて嘘だって…誰に教えられる訳でもなく、そう思い始めていた。それでも、「誰か」に愛されたいという願いが捨てきれなかった私は、眠れない夜に夜空を見上げては流れ星を待っていた。

神様、どうか私にもそんな人が現れますように。心から愛してみたい、心から愛されてみたい。そんな人が。
それが、きっと一松なんだ。都合がいいって神様に笑われちゃうかな。今まではそんなの嘘だって、神様なんていやしないって思っていたのに。でも、笑われたって怒られたって構わない。

「あ?何人の顔じろじろ見て」

「んー?いや、好きだなーって」

「ん、なッ…ばっかじゃないの…」

私はこんなに好きで、大切な人に出会えたから。ずっと願い続けていた星が、叶えてくれたこと。一人ぼっちの夜に、何度も何度も願った願いごと。流れ星を待ちつづけて、やっと私幸せになれたよ。

雨があがって、雲はあけてすっきりとした空になった。公園を抜け歩き出して上を見上げると、月明かりがとても綺麗。星空が宝石を散りばめたみたいに空いっぱいに広がっている。

「ね、きれい」

「ん、おおー…」

ふたりして立ち止まった。こうやって好きな人と夜空を見上げられる、そんな幸せ。今度は何を祈ろう。

「ずっと…一緒にいられますように、」

「ん?何か言った?」

「んー?なんでもないっ」

「何それ、気になるじゃん」

「いつか教えてあげるよ」


≪ ≫
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -