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飯も食い終わって、部屋でごろごろして。メール受信の時間から何時間経ったんだろう。あいつ、いないよな。まさかこんな何時間も。そんなことばかりが頭の中を巡る。おそ松兄さんには「お前さ、忘れたふり、やめたら?」と多少呆れつつも苛つきつつもあるような言い方をされた。

「………ちょっとコンビニ行ってくる」

「えっ?でも今雨降ってるよ?」

「喉渇いた、から」

「………飲み物あるじゃん、」

後ろから聞こえるトド松の声を無視して玄関を開けると雨は多少小ぶりになっていて、傘を一本手に取り広げた。

いるわけない。どうせいない。そう自分に言い聞かせてるのは、るりが本当に居なかったら自分が落胆するからだ。本当は居てほしい。けど、何時間も経ってこんな肌寒い雨の中待ってる訳ない。俺、馬鹿だ。何でもっと、気付いた時に行かなかったんだ。あの時、立ち上がったあの時でも急げば待っていてくれたかもしれないのに。最後の…チャンスだったかもしれないのに。あいつは、どんな想いで待っていたんだろう。

早足だった足は気付けば走っていて、水溜りとか車のはねた水が足元をびっしょりと濡らした。そんなの気にもせず、指定された公園へ息を切らし走っていく。
公園へ辿り着き、荒い息を繰り返しゆっくりと公園を見渡す。暗い公園に目を凝らすと屋根のあるベンチに、いた。

るりがいた。


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