「で、でででもどうすれば…っ何て言えば…」
「はあ?そんなの簡単じゃん」
「………」
「…言わなきゃいけないことは、一つしかないだろ」
珍しくおそ松くんは真剣な目をしていて、短い言葉の中におそ松くんが何を言おうとしているのかひしひしと伝わってきた。私はゆっくりと頷いて立ち上がる。
「…ありがとう、おそ松くん」
おそ松くんは切なそうな顔をした後、照れくさそうに鼻の下をすすって笑った。おそ松くんの方だって辛いのに、沢山支えてくれた。背中を押してもらった。そしたらもうウジウジなんてしてられない。一松に一通のメールを入れてから歩き出した。
一松、どんな顔をするのかな。どんな反応するのかな。嫌がるかな。会ってもくれなかったらどうしよう。やっぱりそんな不安が浮かんでくるけど、もう逃げたりしない。
送信済みボックスを開いて先ほど送った文面を見る。
「伝えたいことがあります。初めて出会った公園で待ってます。」
メールの返事はまだない。
今日は少し肌寒くて風がひゅうっと吹いたと同時にくしゃみをした。