「で?」
「はい?」
おそ松くんが胡座をかきながら「いや、はい?じゃなくて」と突っ込みを入れて若干呆れたように溜息をつく。
「一松のこと、どうすんの?好きなんでしょ?お互いに。もう俺としてはさっさとくっ付いてほしいわけよ」
「……好き、だけど…一松に「もう終わりにしたい」って言われたんだもん」
俯きながらまた泣きそうになるのを堪える。あの日のこと、一松のこと、思い出すだけで。おそ松くんは数秒間沈黙した後口を開いた。
「それさぁ、ほんとに言われた?あいつ、言葉足らずなとこあるからお互い勘違いしてんじゃねーの?」
「………」
確かに、今までずっと一緒にいて一松が言葉足らずなところがあるのは私も知っている。それでも優しい性格をしているってことも。
「兄弟喧嘩はするけど一松と殴り合いになるような喧嘩はしたことなかったもんなー。」
それ程るりちゃんのこと大切に想ってるんじゃねーの、と付け足した。
「あ、いいこと思い付いた」
おそ松くんが「いいこと」と言うと何故か良からぬことなんじゃ…と思ってしまう。それが顔に出てしまっていたのか、おそ松くんは「今失礼なこと考えてただろ」とムッとしている。
「んまあ単純な話なんだけどさ、取り敢えず俺に任せとけって」
少し不安ではあるけれど、私も一松からはもう逃げずに向き合おう。もし、まだ一松が私と向き合ってくれるのなら…今度はきちんと一松が言いたいこと聞いて、私が伝えたいこと言おう。