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結局あの家に一松がいると思ったらなかなか帰れず、帰宅したのは朝になってからだった。アパートの前に着いた所で、ちょうど誰かが出てきたのでつい慌てて隠れてしまう。こっそり見てみると…その人物は一松だった。一松は私の部屋に鍵をかけるとそれをポストに入れ帰っていった。

一松、こんな時間まで…。

一松は悲しそうな顔をしていた。何で、そんな顔をするのよ。そっちが終わりしたいって言ったんじゃない。正直、こんな時間にまで待っていてくれたのは嬉しかった。もしかしたら探してくれたのかもしれない。でも期待をしてしまったらきっとまた傷付く。もう一松とは終わりなんだから。

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数日経ってから、お店におそ松くんがやって来た。私はもうあれ以来おそ松くんが怖くなってしまい、お客として来てもどんな顔をすればいいか分からない。けど、気まずそうなのは彼も同じだった。

「…きゅ、急に来てごめんな。あの、この間はごめん…」

「…………」

「今だから言うけどさ、俺るりちゃんのこと好きだったんだよね。だから、いつの間にか一松とできてたことに嫉妬しちゃって。俺の方が早く出会ったのにーとか、好きになったのにー、とか…男のくせに小さいよな」

いつものふざけたおそ松くんではなくて、本当に申し訳なさそうに辛そうな表情を浮かべる。

「…本当にこわかったんだよ」

「…うん、ごめんなさい。一発、いや何発でも殴ってくれて構わないから」

「そんなことしないよ、殴ったって解決しないことだから。それに、本当に反省してるって伝わったし」

「……こんな状況でふざけんなって思われるかもしれないけどさ…俺、るりちゃんのそういうところが好きなんだよ、な」

「ありがとう…でも、ごめんなさい」

「いいって!もう分かってることだし?」

最後は明るくおちゃらけて言ったけれど、笑っていても切なそうなおそ松くんの顔を見ていたら何でか私が泣きそうになってしまった。

「何でお前が泣くかなー、泣きたいのは…俺だっつーの」


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