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一松とデートみたいにお出かけをした。そして、家に帰ってきても一松は何もして来なかった。夜になって、ご飯を作って食べて一緒にお風呂に入って、風呂上りに二人でアイスを食べて、テレビを見て…。あれっ、お風呂でも何も無かった。今こうしてベッドでごろごろしながらテレビを見ていても、何も…。いつもならとっくにそういう雰囲気になってシているのに。一松は何をしていてもそういう気分になったら直ぐに誘ってくる。私がキッチンでご飯を作っていても、ベランダで洗濯物を干していても、後ろからいやらしい手つきで体をまさぐってくる。私に飽きたのならこんな風に一緒にいたり出かけたりしないだろう。増してや手を繋いだり…なんて。私は、期待しちゃってもいいのかな。人を愛したこともない、愛されたこともない。だから分からないけど。私も薄々感じている一松への感情と、同じものを一松も私に対して感じてくれているのなら…。
一松は今でも情事後お金を渡してくる。正直もうお金なんていらない。けど、それを言ったら…セックスをする前にも考えていた二人の間の壁を壊すことになる。私は壊したい…と今は思う。一松は、どうなのかな。

ピロン、とメールの受信音が鳴り開いてみるとおそ松くんからだった。内容は「今度お店じゃなくてプライベートで会おうよ」というものだった。どうしよう…普通だったら「いいよ」と返事をするけど。私は先程まで考えていたこともあって、一松に聞いてみることにした。一松の考えを知りたくて。想いを聴きたくて。

「一松、おそ松くんからね…今度プライベートで会おうって連絡きたんだけど…」

「………それで」

「一松は、どう…思う?その、一松が行って欲しくないなら、私…」

「は?何で俺がそんなこと言うの?行きたいなら行けば。俺関係ないし」

私は、ひとりで浮かれていた。もしかしたら…って。当たり前だよね、だって私達、付き合ってないんだもんね。


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