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突然一松が「ねえ、今日…出かけない?」と言い出した。今までこんなことはなくて、ここ最近ずっと私のアパートに来ては体を重ねていたので驚いた。特に何処かへ行くなんて物ぐさな一松からは考えられなかったからだ。私はいいよと返事をして二人でアパートを出た。今日は珍しくラブホなのかな?とは言え、二人で出かけるなんてことは滅多にないので楽しみにしている自分がいる。

「えっ、」

突然歩いていると一松が私の手を握りしめてきた。驚いて一松の方を見てみると、何食わぬ顔をしている…けど耳が赤くなっていて。これって手を繋いでる…んだよね。何だか私も照れくさくなって少し俯いたけど一松の手を握り返した。「行きたいとこ、ある?」と言われて少し躊躇したけど近くに新しく出来た、チーズケーキが絶品だというカフェに行きたいと言った。

「一松、カフェとか興味ないでしょ?だから別にいいよ、一松の行きたいところ…」

「いや、いい」

「えっ?」

「俺は…るりの行きたいところに行きたい」

えっ、えっ?それじゃあまるで、デートじゃない。


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