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いつも通りるりのアパートで行為をしていて精液を出した後。いつもなら今度は俺からるりに愛撫したり、そのままベッドで寝たりするのだけど。今日は俺の理性が、欲が、感情がいつも通りにはいかなくて。るりとヤりたい。今までも思ってはいたけど、元々店なんかと比べられないくらいの安い金でやってくれているのに、それでセックスまでさせてくれなんて流石に言えなかった。けど、何故今日はこんなにも欲情するのか。それはきっと…俺のるりへの気持ちが一番なんだと思う。
それがるりに伝わってしまったらしい。気まずさと情けなさで視線を外すと、細く華奢な体で抱き締められた。

「いいよ…一松なら」

そんな言葉を吐かれたらもう後戻りなんて出来ない。風俗の女とセックスをしたら抜けられなくなるくらい好きになっちゃいました、なんて。有り得ねーよっていつかの俺は笑うだろうか。でも、今はもうどうだっていい。
るりの柔らかい唇にキスをして、乱れた服のままるりをベッドに押し倒す。

「…情けないけど、余裕なくて優しくできないかも」

「一松の好きにしていいよ」

いいの、そんな無責任な事言って。俺もう、お前のこと離してやれそうにないよ。


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