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最近の私は何か変だ。一松といると落ち着く。人にこんな感情を抱いたのは初めてだった。一松に抱きしめられると落ち着くし、キスをされると胸がきゅって締め付けられる。一松の匂いが好き。だからよく家でゴロゴロしている時は彼に抱き着いてパーカーに顔を埋める。

一緒にいて分かったことが沢山ある。一松は一人でいることに慣れているというか、平気そうな顔をするけど実は寂しがり屋。今じゃもう私が夜仕事に出かける時は一松は帰らずにアパートに残る時がある。そんな時仕事に出かける前、一松は「寂しい」とは決して言わないけどオーラが伝わってくる。本人は気付いていないかもしれないけど、そういう顔をしている。一松は猫が好き。テレビで動物特集や猫の番組がやっていると嬉しそうにしている。そう言えば出会った時も猫に餌をあげていたっけ。一松はピーマンが嫌い。露骨に残す。私が作ったご飯を「美味い」とは言わないけど割とおかわりをしてくれる。一松は嘘をついたり動揺すると鼻がピクッと動く。それから、SとMどっちも持ち合わせている。どちらかというとS寄りで、攻める方が好きだけどたまに攻められるのも好き。初めて会ったあの日もそうだったけど、一松は結構声を出す。そこが可愛かったりする。フェラをする時裏筋を舐められると弱い。

こんなにも私は一松を知ってしまった。一松は口数が少ないし、何を考えているか分からない人間だと思う。けど、それがだんだん分かるようになってきた。そしてその仕草や言動が可愛いなと思ってしまうのだ。
こんな感情、どうしたらいいんだろう。私は一松をどう思っていて、一松は私をどう思っているんだろう。もやもやと思考を巡らせていると、携帯にメールが届いた。開くと今まさに考えていた人物からで「明日行く」とシンプルなメッセージだった。


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