ご容赦ください!
ピンポーン、と一人暮らしの部屋のインターホンが鳴る。え、今何時だよ。リビングの時計をちらりと見ると十一時十五分。こんな時間に…?恐る恐ると玄関の除き穴を見てみると、そこには松野家四男の姿。
「えっ」
「なに?」
「いや、なに?じゃなくて何で?」
玄関を開けた先には雨でびしょ濡れの一松。パーカーにジャージにサンダルの一松は気だるげでそのへんは通常通りだけど、少しとかそんなレベルじゃなくガッツリ雨で濡れている。
「来る途中で降ってきた」
「いやいや、いきなりだろ」
「…お前携帯見ろよ」
深夜のドラマに夢中で携帯なんて見てなかった。机の上の携帯を見ると一松から「今から行く」とたったそれだけの簡潔なメールが入っていた。ごめん、と謝るけど内心は「それでもこの時間に急だろ…」と悪態をつく。とりあえずフェイスタオルを渡し、急いでお風呂を沸かす。
「今お風呂沸かしてるから。はい、パジャマと下着」
「ん、」
「……なに?」
「入んないの?」
「いや、わたしもう入ったし」
そう言うと少し、いや結構?不満そうな一松は渋々と風呂場へ向かった。感情分かりにくいって皆いうけど、一松は分かりやすいと思うけどなぁ。一緒に入りたかったのかな、なんて考えたら可愛く思えてくる。バスタオルを持って脱衣場のドアを開ける。
「バスタオル、着替えの上に置いておくからね」
ドア一枚向こうの入浴中の一松に声をかけると、ガラッと扉が開いた。一気に湯気が脱衣場に広がっていく。がしっと手首を掴まれるとそのまま浴室へと引き込まれた。
「わっ、!ちょっと何…」
入浴していた一松は勿論裸で、その一松はと言うとにやりと何やら楽しそうな笑み。と同時に嫌な予感。
「るりも湯冷めしただろうから、一緒に入れば」
「いや、いやいや大丈夫ですから」
何とか回避しなきゃ、明日も仕事あるし。危険を察知した私は足早に浴室を出ようとする。そんな私に一松は、なんとシャワーをかけた。服を着ているのに。ルームウェアを着ているというのに。
「な…っ!何やって…!」
「うわ、エロ。体のラインぴったり出てるし」
一気にびしょ濡れになった服が水分を吸って体にはりついて気持ち悪い。私は少し怒っているのに一松はそんなことも気にもとめず楽しそうだ。
「乳首もほら、分かりやすくなった」
「ちが、これは気持ち悪くて」
一松は薄い生地のルームウェアの上から、焦らすようにして乳首を甘噛みする。もどかしい快感に体がむずむずしてくる。
「一松、エロおやじみたい」
「嫌がっておいてなんだかんだ感じてるビッチに言われたくねーよ」
蓋のしてある浴槽の淵に座らされて、足をM字に開かれる。エロおやじ化した一松は足の間に顔を埋めると、パイル地のショートパンツの隙間から恥部を舐め始めた。
「ひっ…!やっ、や…!」
逃げようともがくけど一松は私の足をがっしりと固定させていて、希望通りにはならない。ぴちゃぴちゃ、とかじゅる…っという水音と私の声が浴室に響いて聴覚からも恥ずかしい気持ちになる。さっきは「一緒に入りたいなんて可愛いな」なんて思っていたけど前言撤回してやる。こいつはエロいことしか考えてないんだ…!悔しくも感じてしまいながら一松を睨むと、顔を上げた一松がふっと笑った。
「エロい味」
そんなことをまじまじと真っ直ぐに見つめられて言われたら、誰だって恥ずかしくなるに決まっている。何も言えなくなって唇をぎゅっとつむぐ。それも分かっていてやっているあたりタチが悪い。
浴槽の蓋に乗せられたままゆっくりと一松のぎんぎんに反り勃ったモノを挿入されていく。
「なんだよぐっしょり濡れてんじゃん」
「…シャワーで濡れて、」
「ふーん、お湯ってこんなにぬるぬるしてたっけ」
一松はSでもMでもあるけど、こういうSになった時はとことん言葉攻めしてくる。今だって私が恥ずかしがるような言葉を言っては楽しんでいる。そうしてだんだんと私の気持ちがむらむらしてくるのを待っているんだ。
ゆるゆると腰を動かしては奥までは入れてくれない。それも計算だとはわかっていても、もう私の体は欲しがってしまう。
「…一松、」
「ん?なんだよそんな物欲しそうな顔して」
「もっと奥、い、れてよ」
「何を」
一松はほんとに意地悪だ。少し涙目になるけど、それでも妥協してはくれない。寧ろ、どうせ「泣き顔もそそるわ」とか思ってるに違いない。
「…一松の、おちんちんいれてよぉ…」
「あ、ああ〜…すげーいい、やばい腰にくる…」
うわ、変態かよって心の中で想うけどそんな一松も可愛いなんて思ってしまう私は重症に違いない。一松も余裕がなかったのか、先程のゆるゆるとした動きとは違って腰を打ち付けるように律動を繰り返す。
「ひゃ、ああっ…」
多分濡れたルームウェアが冷えたせいだとは思うんだけど、それだけじゃなくて。一松のこの余裕のない色っぽい顔がとても好き。眉間の皺とか、額にかく汗とか、ギラギラした眼とか。たまに漏れる喘ぎ声も可愛くて好き。一松の首に腕をまわしてひっつくと、嬉しそうににやつくところも好き。
「あっ、んあ…っ、いちま…きもちいいっ、」
「どこが…っ、いいんだよ」
「わたしと一松の繋がってるとこぉ…、じゅくじゅくしてるとこ…っきもちいいっ」
「あーっ、お前のそういう頭悪いとこ最高だよ…」
快感だけじゃなく、お風呂の湯気とか熱気のせいもあって頭がぼーっとしてくる。一松に流されるといつもこうなってしまう。気持ちよさで頭がいっぱいになってどうでも良くなっちゃうんだ。
「あっ、あっ!奥きちゃ、だめ…っ、のうみそ蕩けるぅ…っ、」
「俺もるりのえろまんこでちんこ蕩けそう…っ、」
「んっ、あぁ…っおく、だめっ、これ以上はだめ…!」
「さっきまで「もっと奥いれてよぉ」ってぐずぐずえろまんこ広げてたのはどいつだよっ、あぁ?もっとほら、奥まで突いてやるから…っ」
「あっ、あー!そんなっ、がつがつ突いちゃ…っこわれ…るっ!んあっ!」
浴槽の蓋がガタガタ音を立てる。こんなお風呂でセックスだなんてラブホじゃないんだから。でももういい、何だっていい。今わたしは最高に気持ちよくて、一松も最高に気持ちいい。数分前のわたしが聞いたら怒るんだろうけど。でもね、いつだってそう。私を必死に求めてくる一松が結局は好きで、こうなっちゃうんだ。
「あっ、あー、出る…っ!あっ!」
女みたいな喘ぎをしながら一松は律動を早くすると、ギリギリに抜いた瞬間から飛び出した白い液体。それがびしょ濡れになった私のお気に入りのルームウェアに飛び散った。
まだお互いの息も荒いままなのに、一松は私の口内をぐちゃぐちゃに舐め回す。こういう野生みたいな、馬鹿みたいなキスが堪らなく好き。
そうしている間に再び元気を取り戻した一松のモノが、再び私の穴へと押し付けられた。
「えっ、」
「…もっかい」
いや、流石に今の一回で体力持っていかれたのに。そして明日も仕事なのに。早く着替えたいし。
「いや、流石にちょっと疲れ…」
「うそ、あと三回」
「ご容赦ください!!」