07
「トイレ掃除随分時間かかってたけど、大丈夫?」

「す、すみません…」


先程の地獄のような行為が終わったあと、すぐに嗽をして掃除用具を片付け戻ると店長に指摘され何も言えなかった。仕事中に何をしてるんだろう…。嫌だと泣き叫ぶことが出来たら、あいつに犯されたこと、脅されていることを誰かに言えたなら…でも言えない。あの写真がある限り。


「今日はやっぱり体調悪そうだし、無理しないで休んだ方がいいんじゃない?」


「…すみません、それじゃあお言葉に甘えて今日は上がらせてもらいます。」


多分、このままいても迷惑になるだけだ…。気持ちを切り替えて、お店には迷惑をかけないようにしよう。松野くんとも顔を合わせずらかったけど、心配そうな顔をしている松野くんに「お先に上がります、ごめんね。」と謝る。

「謝らないでよ!送っていければいいんだけど…」


松野くんは本当に優しいな…と心があたたかくなる。あの屑で最低なやつと同じ血が流れてる兄弟とは思えない。


大丈夫だよと伝え、家へと帰る。一人暮らしの部屋へと帰ると携帯にメッセージが一件届いた。


−−−−−
松野一松
−−−−−
これからよろしく



松野…一松。あいつの名前…。いつの間に登録されたんだろう。
これからもあんな地獄のようなことが続くのか、そう思ったら絶望的な気持ちになってベッドにうずくまって泣いた。
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