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思い切って勇気を出して一松に告白をしに行ったけど、家族が帰ってきた為結局返事は聞けず終いになってしまった。

「俺は…俺、も…」

一松は何て言おうとしていたんだろう。その先の言葉が知りたい。他の兄弟に囲まれてあれこれ質問されたり言われたりしてるけど、その言葉は一方通行に耳を通り抜けていく。愛想笑いをしながらちらりと一松を見ると、丁度目が合ったけどすぐに逸らされてしまった。

そして急に「飲み会をしよう」と言い出した松野くんを見ると、こっそりと小声で「いい機会だし、頑張りなよ」と耳もとで囁かれた。気を遣ってくれたんだ…先程一松に告白をしたことを思い出して少し恥ずかしくなり、頬が赤くなる。一松を見ると、何だかイライラした様子だった。

結局そのまま宅飲みをすることになり、まだ夕方にもなっていないというのに酒の買出しに行くことになった。松野くんは気を利かせてくれて「はい、じゃあ暇そうだから一松兄さん買出し担当ね。後は、るりちゃんおつまみとか好きなの買ってきてもらえるかな?」とあたしと一松の二人で買出しに行くことになった。

一松は変わらず不機嫌そうだし何より…
き、気まずい…。
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