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朝、気合いを入れてお洒落をしたトド松が家を出ていった。るりとのデートをする為に。気にしたって仕方ない、そう思い込もうとしても頭の中はるりのことばかり。どんな服でデートすんのかな。俺とデートした時は、凄く可愛かった。今日のあいつはトド松の為にお洒落すんのかな。そう考えただけで苛ついた。繋いだ小さな手は柔らかくて、並んで歩くと隣からふわりとシャンプーの香りがする。今日、トド松はあの日の俺と同じことを感じて思うのだろうか。トド松は平然と言えるんだろう、「今日、かわいいね」とか「似合ってるよ」とか。俺は言えなかった。

気がつけば夕方で、じっとしていられなかった俺は耐えられなくなって家を出た。二人がどこへ行くなんてのも聞いてないし、例え二人を見つけてもどうするつもりなのかは分からない。けど、あいつを取られたくなくて、ただそれだけの気持ちで家を出た。兎に角街中を歩き回ってトド松が行きそうなお洒落なカフェや、レストラン街、ファッション店が並ぶデパート、いろんな所へ行ったけど見つからなかった。そりゃそうか…そう都合良く見付からないよな。既にもう夜になっていて、二人はもう家に帰っているかもしれない。そう思いるりのアパートへ向かおうと途中の公園の前を通った。

話し声が聞こえて歩きながら何気なく見てみると、聞いたことのある声とうっすらと見覚えのある影が二つ。

歩みを止めて、少し近付くとるりとトド松がいてトド松がるりを抱きしめていた。
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