35
昨日は感情のままにるりに会いに行って、初めはただあいつに会いたいと思っていただけなのに。顔を見たら抑えがきかなくて、トド松がるりに告白をしてキスまでしたなんて悔しくて。あいつの唇に強引に口付けをして。るりに止められなかったら、俺は以前のように獣と化してあいつを犯していただろう。
自分が情けなくて、この焦りをどうすればいいのか分からなくて、感情のままるりをまた傷付けてしまいそうになったこと、ぐちゃぐちゃな思考のまま「ごめん」と謝った。もう顔も見たくないとか最低だとか、以前毎回言われていた「あんたなんか大嫌い」と言われるのかと思っていたけど、るりは俺を抱きしめた。細く小さな身体で、少し震えたその身体で優しくそしてぎゅっと抱きしめてくれた。
くそ、なんだよ。そんなことされたらもうどうしたってお前に余計依存しちまうだろーが。

後悔とか嬉しさとかもどかしさとかそんなのがごちゃ混ぜになって家でもんもんとしていると、バイトから帰ってきたトド松が「僕、来週百瀬さんとデートすることになったよ」と嬉しそうに報告をしてきた。へえ、と短く返事をしたけど心の奥底からどす黒い感情が渦巻いている。

そっか、デートすんのか。俺なんかあの日以来デートなんかしてねーよ。俺とデートした時みたいに、笑ったり驚いたり照れたりそういう色んなるりをトド松にも見せるのかな。

もう俺ばっかりが空回りして、あいつがどんどん離れていってしまう気がする。
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -