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トド松が帰ってくるなり「今日、百瀬さんに告白してきたよ」と報告をしてきた。俺は特に何も言えなくて、ふーんと気怠げに返事をした。本当は内心焦っている。どんな風に伝えたんだろう。あいつはどんな気持ちになったんだろう。そしてどんな顔をしたんだろう。そんなことばかりがぐるぐると脳内を巡る。
「僕…一松兄さんを応援したいけど、百瀬さんは譲れない。譲りたくない。一松兄さんに負けたくないんだ」
そんなの、俺だってそうだよ。
「ちゃんと気持ち、伝えてきたから。…キスもしたよ」
その最後の言葉に心臓と思考回路が一瞬止まった気がした。あいつが、るりが、他の男と。俺は何度もるりとセックスはした。けど、キスは一度もしたことがない。この余裕のない状況で、一つでも先を越されるとむしゃくしゃする程にどうしたらいいか分からなく、焦るばかりだ。
会いたい…
るりに無性に会いたくなってボロボロのサンダルで家を飛び出した。普段走ったりなんかしない。その上サンダルじゃ走りにくい。けどそんなのは構わない。不安なんだ、トド松にもっていかれそうで。今すぐ会わないと不安で押し潰されそうだ。
るりの住むアパートへと走り出した。