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ぎこちなく手を繋いだまま連れてこられたのは猫カフェだった。一松がこんな所をチョイスするなんて意外だった。
中へ入るの可愛らしい沢山の猫がいて、何故かあっという間に一松の周りには猫が集まっている。一松はというと優しい表情で猫を嬉しそうに撫でている。もしかして猫好きなのかな。一松ってこういう顔もするんだ…。

「触る?」

「えっ、うん」

その中の一匹をあたしの膝の上へ乗せてくれて、抱き上げてみると小さくニャア、と鳴いた。その可愛さに「うわあ…!かわいい…!」と思わず声に出てしまう。視線を感じて一松の方を見ると一松と目が合って、「……かわいい」とフッと笑った。その瞬間沸騰したやかんのように自分の顔が赤くなったのが分かった。


「えっ」

「…え、あっいや!、ね、猫のこと…だからっ!」

大袈裟に否定をする一松に、胸がどくんどくんと高鳴る。おかしい、こんなの。一松だって、猫のことだって言っていたのに。あたし今きっと顔が赤い。一松も、顔が赤いよ。胸の奥がくすぐったくなるような感覚のまま猫カフェを出て、それからは映画を見たりご飯を食べたりして一松とのデートはあっという間に過ぎていった。

ご飯中も、特に話すことなんてなかったけど何故か居心地の良さを感じている自分がいた。
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