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「俺は本気だから」

ふざけないでと声を上げた後も、一松はこういう展開になることが分かっていたかのような冷静な態度でいる。


「今までの事も…悪かった。謝って済むことでもないのも分かってる。嫌われてるのも分かってる。これからは無理矢理犯したりしない。ただ、好きになってもらう努力をするのは赦してほしい」


深々と頭を下げる一松を見て、何も言えなくなってしまった。まるで別人だ、以前の一松と。あんなに冷徹で冷酷な一松が、こんな風になるなんて。


「それでも…受け入れられない。あたしはやっぱりあんたを許せない。あたしがあんたを好きになるなんてことはないと思うし」

「それでも、チャンスがほしい」

「………」


あたしはきっとおかしいと思う。許せない筈なのに、許しちゃいけない筈なのに。こんなにも、こいつが嫌いなのに…あたしは溜息をついて頷いた。一松は安堵の表情を浮かべると、あたしを優しく抱き締めた。


「なっ…!何もしないって…!」

「何もしないとは言ってない。無理矢理犯さないって言った。本当に嫌ならやめるけど」


にやりと笑う一松に、不覚にもドキッとしてしまった自分に驚く。こんな風に抱き締められたのは初めてだから…だから嫌だと思わないの…?自分の気持ちが分からないまま、一松の体温に包まれた。
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