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恋:男女が互いに相手を恋い慕うこと。また、その感情。「恋い慕う」は「恋しく思って追い従おうとする。恋慕する」その「恋しい」は「離れている人がどうしようもなく慕わしくて、せつないほどに心ひかれるさま」。

トド松に「それは恋だよ」と言われたけど、恋なんてしたことないから分からなかった。けど、確かにるりを想うと恋しいとも思うし胸が苦しくなる。ああそうかこれが恋なのかなんてまるで他人事のように思う。


「一松兄さん、その子に告白しないの?」

「告白…してもあいつは喜ばないと思うし、俺にはそんな資格…」


途中まで言いかけて口を閉じた。言ってどうなるっていうんだ。俺なんかが、俺みたいな人間の屑野郎が。あいつは俺に無理矢理セックスを強要されてきたんだ。


「資格なんて関係ないでしょ。相手を好きになるのも自由、好きだと伝えるのも自由だよ。ただ嫌われたらどうしようとか、そういう気持ちが邪魔しちゃうだけ。恋ってそんなもんじゃないの。それとも、他の人にとられちゃってもいいの?」


他のヤツに…るりが他のヤツにとられる…ふとあのストーカー野郎を思い出して、胸の奥と拳がぎゅっとなった。あいつが誰かにとられるのは嫌だとハッキリ感じた。どうせ嫌われてる…だったら嫌われるんじゃないかなんて心配は無用だ。


「……頑張ってみる」


ぽつりと呟いた俺に、トド松は「うん、がんばれ」と優しく微笑んだ。
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