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朝の光に目を覚ますと、自分のアパートの部屋のベッドにいた。体が重くて腰が痛い。昨日はどれだけしたのだろう。疲労やら快感やらで気付けば寝てしまったらしい。この体の痛みがどれだけ激しかったかを思い出させる。鏡を見ると酷い顔をしていた。
一松はもう既に帰ったようだった。
今日も昼から仕事の為、シャワーを浴びようと脱衣所へ向かう。


「…………」


裸の自分を鏡で見ると、自分の体には赤い跡や歯型が幾つも刻まれていた。首筋や肩、胸元、お腹、太腿にまで。昨日は気が付かなかった。情事中に残されたのか、それとも自分が寝た後につけられたものなのか…。今まででこんなことは一度もなかった。松野一松は相手に依存したりしないと思っていたから、まるでこんな自分の所有物だと主張するような行為はしないだろうと。

昨日一松が言っていた事を思い出す。


「おまえは、俺の、玩具だろ…っ」


何であんなに苦しそうな顔をしていたんだろう。ただの独占欲や支配欲で?あたしが別に誰と何しようが関係ないし興味もないって顔をしていたのに、一松はあんなに怒りや苛立ちをあらわにしていた。

…分からない。あたしには、あいつの気持ちが。分かりたくもないけど。
それなのに、一松のあの時の苦しそうな顔が何故か脳裏にこびりついて忘れられないでいる。
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