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「ひゃっ…!」
予感的中、今日の一松はやっぱり何故か機嫌が悪くて乱暴だった。元々丁寧でも優しくもないけどいつも以上に荒く激しい。何が気に食わないのか知らないけど、八つ当たりをされるあたしの身にもなってほしい。
「なに、あいつ」
「へ…?」
「たまに来るあいつ、だれ」
そう言われて思い浮かんだのはお店に来るあのお客さんだった。何であの人が関係してくるんだろう。もしかして一松はそのことで機嫌が悪いのだろうか。強く手首をベッドに押さえ付けられ激しく攻められる。
「いっ…!」
いつもあたしが睨んだり痛がったりすると喜ぶけど、今日は何だか違う。痛くて顔を歪めるけど、一松は苛ついたまま。
「ただの常連、さ…んっ!」
「ふーん、その割には随分親しげだったね」
「ん、あぁっ…!」
まだセックス一発目なのに容赦なく奥を突かれて既に体が悲鳴をあげている。こんなに激しくされたのは初めてだった。何で、そんなこと。まるであんたが嫉妬しているみたいじゃない。
「あいつのこと、好きなの?」
「そ、んな…っ…あっ…!」
「否定しないんだァ、」
激しく体を打ち付けられて、肉穴がひくひくと痙攣している。呼吸さえもまともに出来なくて、足りない酸素を懸命に吸うけど追いつかない。口から出るのはだらしない喘ぎ声だけ。否定しないんじゃなくて、あんたが喋らせてくれないんじゃん。そう思うけど、快楽で話すこともままならない。
「おまえは、俺の、玩具だろ…っ!」
ああ、嫉妬なんてそんな可愛らしいものじゃない。征服感と独占欲で支配したいだけなんだ、こいつは。人として扱ってもくれない、ただの性奴隷として見られているんだ。分かってはいたけど。
「お前みたいな汚れたやつ、相手にするわけないじゃん。こんなに濡らしながら犯されてあんあん喘いでるブス」
久しぶりに、涙が出た。