11
最近、バイト先に少し年上の男性が常連さんになりよく来てくれる人がいる。とても爽やかで優しい人だ。いつもホットコーヒーを頼んで、同じ席に座って小説を読んでいる。その本の作者があたしも好きで、共通点があって嬉しかったりする。今日も彼が来て、「ホットコーヒー、お願いします」と注文を受けた。


「お待たせいたしました」

「ああ、ありがとうございます。そうそう、この作者の先生新刊出されたんですよ。もう読まれました?」

「そうなんですか?まだ読んでないんですよ、最近本を読めてなくて…」


心身共に疲れているため、少しでも共通の趣味を話せることが嬉しい。物腰柔らかだし親切だし、松野一松とは大違い…。今日は呼び出されるか、家に来そうだな…。休憩中に携帯を見てみると、案の定メッセージが一件きていた。


松野一松
−−−−−
今日仕事終わる頃行くから


溜息をついて、仕事に戻る。

バイトが終わって、いつも待ち合わせに使っている公園へ行くと松野一松は何故か不機嫌だった。元々目付きの悪い目を更に鋭くし、マスクをしていても何か機嫌が悪いんだなということは分かった。こんな一松は初めて見るので、怖い。今日のセックスは激しくなりそうだと嫌な予感がした。
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -