09
ぐちゅっ、ぐちゅっといやらしい音が気持ち悪い。立ったまま手を壁につき、後ろから一松のモノが出し入れされる。一松はあたしの腰を両手で掴み快楽を得ることに必死だ。早く終われ、早く終われと願いながら揺らされる体。ここは人通りが少ないと言っても外だし、声も出せないし出したくもない。
「んっ!んんっ!」
「はっ、ああ?なに、声我慢してんの?そういうのうざいからいいよ」
気に食わないらしい一松は角度を変えてスピードをあげて腰を打ち付けてくる。先ほどとは違って強い刺激と、別のところに当たって必死に我慢していた声が溢れる。
「やっ…!んんっ、あっ、はあっ!」
「こんな場所でぐっちゃぐちゃに濡らしていやらしい喘ぎ声も出しちゃってさァ、ほんとあんたも変態だよね」
違う、感じてない。感じたくなんかない。そんな気持ちがかき消されてしまいそうになるくらい快楽を与えられる。残った理性で自分に言い聞かせる。気持ちよくなんかない、と。けれど体は憎らしくも素直に反応してしまって一松の言う通り結合部はいやらしい愛液が溢れ、あたしの太股を伝っていく。
この通りを誰かが通ったら、この声や音に気付いてしまうんじゃないか。そう思うとひやひやしてぶるりと鳥肌がたった。
「はあっ、はーっ、そろそろ出す」
「いっ、やっ…!あっ、んんっ!はあっ、あぁっ!」
限界の近い一松はより律動を早めると荒い息遣いがもっと荒くなっていく。欲しくもない快楽を与えられ、その気持ちよさと激しさに足ががくがくと震え出す。
(立っているのが辛い…!)
「あっあっ!や、だぁ…っ!」
「はあっ、はあっ、あーっ、イくイく…!…うっ!」
ずるっとナカから引き抜かれ、あつい液体がお尻に放たれた。後ろからはまだ熱のこもった声で
「はーっ、おまえ、ほんと最高だよ」
と聞こえ、それと同時にあたしの頬に涙が流れた。