この毒の名前をおしえて


「ねえねえ一松、これかわいい?」

甘ったるい声で新しく買ったスカートをひらひらと見せてくる。スカートが翻る度に見える足にドキリとするが、口から出るのは正反対な言葉。

「お前みたいなブスが着ても何も変わんねーよ」

猫を撫でながらそっぽを向くと、隣で頬を膨らませ拗ねるるり。可愛いなんて口が裂けても言ってやらない。この場にいる他の兄弟達は皆揃ってるりを褒めているけど。


「いいねー、スカート!俺はもっと短い方が好きだけど」

「最高に似合ってるぜ」

「一松おまえ、ほんっとるりちゃんには冷たいよなー」

「すげー似合うよ!るりちゃんかわいい!」

「うん、似合ってるよ!」


俺は素直に褒めたりとか、そういうのは出来ない。自分でも分かってる、不器用で面倒な性格してるって。こいつは何故かこの兄弟の中で、一番一緒にいてつまらないであろう俺に懐いている。好かれて悪い気はしない…けど、だからと言ってどうしたらいいかなんて分からないし。


「そういや、この間の告白の返事どうしたの?」

「あー、うん…」


は?告白?なんだそれ、初耳なんだけど。チョロ松兄さんがるりに突然話をふるとるりは眉尻を下げて困ったように俯いた。
なに、何だよ。告白って。どこのどいつだよ。お前が嬉しそうにスカートを見せるのは俺だろ…俺に見てほしそうにしてたじゃん。もしかして…その新しい服も、そいつの為に買ったのかよ。
そう思ったら何故か焦りとか苛立ちが風船のように膨らんでいって、頭に血が昇った俺はるりが答える前にその細い手首を掴んだ。


「へっ?」

「お、おい一松?」


他の兄弟達の制止する声を無視して、強引に腕を引く。居間から出ると階段を上がって二階へと上がった。二階の部屋へと入ると後ろ手で襖を閉め、るりを壁に追いやった。るりの顔の両脇に手をやり、逃げられない状態にする。今の状況が掴めないるりは少し怯えたように俺を見上げた。


「い、いちま…」


「告白ってなに」


るりの言葉を遮る。自分でも驚くくらい低い声で。そんな泣きそうな顔で男を見んなよ。そんなの誰だって欲情するに決まってるだろ。今までは意識しなかったその柔らかそうな唇も、綺麗な髪も、白くて細い首筋も、全部…そいつのものになるっていうのかよ。るりの手首を壁に押え付けて、強引に口付けた。


「ふっ…!?ん、んん…っ」


最初から、深いキス。何度も角度を変えて重ねる。キスなんかしたことないから、やり方なんか分からない。それでもるりの唇は中毒性があるんじゃないかってくらいに柔らかくて、魅力的で、いやらしかった。少しの隙間から舌を入れると、初めは逃げていたるりの舌も絡まるようになった。くちゅ、くちゅという絡まる音と荒い吐息がより欲情させた。


「んん、はあっ…んむ、ぅ…」


ゆっくりと唇を離すと、長く深いキスでるりの口からはどちらのか分からない唾液が溢れ垂れていた。るりの瞳は既にとろんと蕩けそうになっていて、身体の力が抜けぺたんと座り込んだ。そのままるりを床に組み敷くと、再びキスを落とす。


「おまえは、俺のだろ…」


ああ、分かった。何で気が付かなかったんだ。俺はるりが好きなんだ。…渡したくない。るりの身体も、心も渡したくない。自分のだと分からせるかのように、首筋に赤い痕をいくつもつける。胸にも、二の腕にも、腹にも、太腿にも。


「るり…はあっ、るり…っ」


「ふぁ…、あっん…」


スカートを捲り、その淡い色の下着に顔を埋める。すー、はー、と深呼吸をするといやらしい女の匂いが全身を麻痺するみたいにまわっていく。


「やっ、やだ…そんなっ!」


るりがいやいやと俺の頭を押し返すけど、元々力の弱いるりが気持ちよさで更に力が入らない為何の意味も成さない。下着をずらして間近で見る女のそこに鼻息が荒くなり、下半身にも熱が集まる。ふー、と息を吹き掛けるだけでぴくりと反応をする。ゆっくりと、舌を這わせた。


「ひっ…!あっ、あっ、や…ぁんっ!」


ぴちゃぴちゃと舐めると独特の味が口全体に広がる。面白い程に身体をびくんと跳ねさせるるりが愛しくて愛撫は止まない。るりが押し返していた俺の髪をぎゅっと掴む。口では嫌だと身を捩らせているけど、それが「もっと」と言われているようで顔をぐりぐりと押し付けぐしゃぐしゃに舐めた。無我夢中で舐めていた為、口を離すと肩で息をした。るりはぐったりとしていてはー、はー、と全身で息を整えている。


「るり…行くな、行くなよ…好き、なんだよ。」


優しく、そっと抱きしめた。うわ、俺すっげー情けないな。それでも、こいつを離したくなくてぎゅっと力を込めた。すん、と鼻を啜る音が聞こえ、ぎょっとして腕の中のるりを見ると今にも泣きそうな顔をしていた。ごめん、そう言いかけた時。


「いちまつ…いまの、ほんと?」


「えっ、うん」


「…もっかい言って」


「………好き…なんだよ」


泣きそうだったるりはついにその瞳からぽろぽろと涙を溢れさせ流れた。うえええ、と両腕を俺の首に絡ませて泣き始めた。


「ずっと一松のこと、好きだったの…!けど、嫌われてるとおも…思ってぇ…」


「お前が…どっかの野郎に告白されたって聞いて、それで…って、おまえ!その返事どうしたんだよ!」


「…断ったよ、好きな人がいるからって」


「……そーかよ」


「安心、した?」


「…うん」


今度は、唇にるりからの優しいキスをされた。なんだよ、俺。ほんとに余裕ないし、かっこ悪いじゃん。へへ、と嬉しそうに笑うるりを悔しくも可愛いなこのやろうなんて思ってしまう。落ち着いていた筈の男根に再び熱が集まる。るりは「…いいよ」と恥ずかしそうに微笑んだ。
ゆっくりとナカへと埋めていくと、その温かさに直ぐにイッてしまいそうになる。ゆるゆると腰を動かすと、だんだんとナカは解れいつの間にか結合部分はぐちゃぐちゃに濡れていた。ある程度馴染んできたところで、ぐちゅん!と奥まで突いた。それを合図にぱんっ、ぱんっと腰を打ち付ける。


「あっ、あぁっ!い、ちま…!」


「はっ、はっ、すげ…絡み付いてくる…っ!」


突き上げながら、親指でクリトリスをぐりぐりと押しつぶすとナカのしめつけが強くなった。あまりの気持ちよさに男の俺も情けなくも声が洩れる。るりも両手をシーツを掴みながら悶える。逃がさないように残された片手で腰を掴むとより激しく攻め立てた。


「あっあー!らっ…めえぇ…!これ以上っ、はげし…したらっ!おか、しくな…るっ!んんっ!あっ!」


「あー、そろそろ出るっ、はあっ…!るりのまんこでイク…っ!はっ、あーでるでるっ!っく、!」


がくがくと身体を揺さぶり、俺の口からも涎が流れるけどそんなのはお構い無しにるりの蜜壷をかき混ぜる。射精感が強まり、るりのあついそのナカでどくっ!と脈を打ち精液が流れ込まれた。最後の一滴まで残さずにるりのナカに注ぎ込むと、ゆっくりと抜き出した。どろり、と吐き出した欲が溢れ出てきて あーえろい なんてぼーっとしたまま眺めた。


「…一松、もっかい言って」

「おまっ、調子にのるなよ…もう言わない」


そう言いつつも、俺の腕はるりを抱きしめ包み込んだままだった。るりは「えー」と文句を言いつつも、嬉しそうに笑った。

頼まれたって離してなんかやらねーよ。



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双葉さま
リクエストありがとうございました!女扱いされてない女の子が告白をされ嫉妬〜というお題で、精一杯書かせて頂きましたが…長ったらしくなってしまった上甘くなったかな…?と若干不安ですが><
気に入って頂けたら嬉しいです〜!
また何かの企画の際は、是非リクエスト下さると嬉しいです(*^^*)


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