きみが泣いている理由になりたい


長男から末弟まで揃ってクソニート童貞の社会不適合者な僕達は、各各云々でイヤミの紹介で就職することとなった。+もう一人を連れて。幼馴染みの百瀬るりだった。彼女も働いてはいない。チョロ松兄さんと同じく「就職活動はしている」しハロワにも行っていたり求人誌を広げていたりはするけど、何だかんだ就職をしていない辺り結局は僕らと同類なのだ。僕はこいつのそんな所が大嫌いだった。僕らと変わらない癖に、自分は違いますみたいな。おそ松兄さんが以前チョロ松兄さんに言っていたことと全く同じ。自分を正当化して、働く気はあります、だァ?ふざけんな、何だかんだ理由つけても結果は同じなんだよ僕らと同類なんだよ。そうやって同じ屑の癖に僕達を上から見下してるみたいなところがくっそ気に食わねえんだよ。

それで僕達がイヤミの紹介で働く事になったと聞いたるりは、自分もそこで働きたいと自ら名乗り出た。何の会社かもよく知りもせずに。まぁそれは僕達もだけど。そこはわかり易くも「ブラック」工場と書いてあって、スペシャル社畜ライフを過ごしていった。働いていく内に気付けば僕は昇格していて班長に上り詰めた。
るりはというと仕事っぷりは駄目駄目で、たかが工場での同じ繰り返し作業なのにミスも多かった。るりはよく言えばマイペースだが悪く言えばのろまで鈍臭い。

「お前、クビにされるかもよ」

「えっ…!」

「上がそう話してるの聞いた」

るりは眉尻を下げ「そんな…」と小さく呟いた。るりは困ってる。困ってるよな?それを助けてやるのは昔からの友達であり、同僚であり、今は上司としての役目だよな?ああ、僕って何て優しいんだろ。

「僕が言ってあげようか、クビにさせないように」

「えっ、ほんと…!?」

るりは暗かった表情をぱっと明るくさせて純粋なその笑顔を僕に向けた。

「うん、条件付きだけど、ね」



皆が寝静まった深夜、トイレの個室で水音が響く。用を足す音でもなく、水を流す音でもない。僕はただ便器に座って足の間に座り込むるりを上から見下している。

「んっ、ふ…」

「もっと舌使えよ」

慣れていないことでるりの小さな口から僕の性器がいやらしく音を立てて出し入れされる。ぎこちない舌遣いもたまに当たる歯も気持ち良くて、この多少の罪悪感とか征服感とかが最高の興奮材料になる。るりの頭を掴み奥までぶち込むと精液が勢い良く口の中へと流れていった。るりは苦しそうにもがいて、瞑った目からは涙が流れてる。

「うっ、はあ…」

一気に気怠さが押し寄せてきたけど、直ぐに僕の股間はまた硬さを取り戻した。ぜえぜえと肩で息をしているるりはそれを見てまた泣きそうな顔をする。

「も、もう無…」

「はあ?こんなんで終わると思ってんのかよお前」

座り込んでいたるりの腕を掴んで立たせると、壁に手を付かせた。後ろからるりのくびれた腰を掴んで容赦なく挿入すると、るりは声にならない叫びを上げた。


「ひっ…!?い…っ!ぐぅ…!」

「あれ、もしかしてるりちゃん処女だった?」

血は出ていないものの、どうやら初めてだったらしいセックス。るりの穴は最高の締り具合だった。と、いれてから気付いたが、若干ではあるがるりのそこは濡れていた。

「処女の癖に愛撫無しで濡れちゃうなんて、とんだ淫乱痴女だねえ。僕のちんこしゃぶって、興奮して濡らして、案外満更でもないんじゃん」

「ふっ、うっ、あ…!いた…いっ!いちまつ、」

「痛いのもいいんじゃないの?淫乱なんだし、ていうかだんだん濡れてきてるよほら、すぐ気持ちよくなるよ」

処女だろうが手加減等せず思いきり突き続けると、結合部からはぐちゅんぐちゅんと水音が聞こえ始めて律動もスムーズになっていった。

「あっ、あっ!なんか、くるぅ…っ!きちゃううっ!」

「えっ、もしかしてイクの?初めてのセックスで?うわー、すごいね」


腰の動きが壁に伝わってドアがガタガタと音を立てる。るりの声も次第に大きくなっていき、快楽に堪えようと必死になっている。突然びくんっ!と大きくるりの体が揺れて、穴の締りがぎゅうっと強くなり思わず出してしまうところだった。ぐっと堪えてゆっくりと抜いた。

「はあ…はあ…」

初めて果ててしまったるりは力なく壁にもたれ掛かるようにして座り込む。るりの両脇に手を入れて持ち上げると、蓋をした便器の上に座らせた。両脚を大きく広げると、二人の混ざりあった体液がぬらぬらと光っている。

「ま、まだやるの…?」

「当たり前だろ」

直ぐに僕のをるりの穴へと再び挿入した。イッたばかりのそこはきゅうきゅうと締め付けてきて、まるで僕の精液を搾り取ろうとしているみたいだ。ふー、と深呼吸をしながらゆっくりと動き、だんだんと早めていく。

「あっ!んあ、」

「はぁ…っ、あんまでかい声出すと外に聞こえるよ、まあ僕はそれでもいいけどっ」

るりは顔を赤くすると両手で自分の口を覆った。ああー、この感じ、やばい。すげー興奮する。部下とか同僚を隠れてレイプ、弱味を握って犯しまくる、声を出したくないのに出ちゃう、みたいな。我慢しようとしてるのに抑えられなくて快楽に必死に堪えようとしてる姿がエロくて。こういうAV見まくってたけど、現実だとこんなにも興奮すんのかよやべーよ。

「ふっ、んっんう!」

「あー、そろそろ出そう、出すよ、いいよね?ここまできたんだし」

「んっ!んんーっ!」

るりは瞳からぼろぼろと涙を流しながら必死に首を横にふる。やめて、とか言ってるんだろうけど。

「あー、ごめん聞こえないから分かんないわ…っ」

我ながら酷いな、と思う。屑で最低の野郎だなと。それでも止まんなくて気持ち良さから情けなくも口からは喘ぎ声が溢れる。

「ああ〜っ、やば…いっ、んっ、はあっ、ああ…っ」

「んっ、ふ…っんうっ!」

「出る…っ!あーっ、出すよ…!」

「んぅっ、やっ、あ、あああっ!」


激しい律動の最後に一番奥へとずんっ、とぶつけるみたいにぶち込んだ。僕のちんこは震えて本日二回目の射精をした。あー…中出し最高。あつくて蕩けそう。るりは果てる瞬間に口を塞いでいた手を離し、僕の首の後ろへと回した。それが腹立つことに少し嬉しいと思っている僕がいた。

未だにびくっびくっと痙攣するように震えているるりの顔を見ると、涙でぐちゃぐちゃだった。最後にまた涙が頬を伝って流れて、僕はただそれを綺麗だなと見つめていた。

お前は笑顔なんかよりも泣き顔の方が似合うよ。

僕の声がるりに届いたかは分からない。



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ふゆ さま

お待たせ致しました…!
「ブラック工場の一松くんに無理やり」というリクエストでしたが、こんなシリアスになってしまいましたが宜しかったでしょうか…!長編の「アスター」でも結構シリアスではあったんですが最後はハッピーエンドだったので、あんまりこういった切なめな終わり方をしたお話は書いたことがありませんでした。なので少し新鮮な気持ちで書くことができました〜!
気に入って頂けると嬉しいです…!
この度はリクエストありがとうございました!(*^^*)

百瀬 るり
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