抱き上げたと言っても、それはまさかのお姫様抱っこというやつで、これまで生きてきてそんなのをされたのは人生で初めてだった。こんな、家の本棚にある少女漫画みたいな展開自分が経験するなんて。 「わっ、なん…っ、大丈夫だってば…!」 「すぐ保健室連れて行ってやるからな」 「だから一人で行けるって…!」 「こら、暴れるな」 ジタバタともがくと、近くなっていたカラ松先生との距離はもっと近くなって不覚にもドキッと心臓が鷲掴みされたみたいだ。大人しく腕に抱かれると、周りの生徒からの視線が集まっていることに漸く気付く。 「わー、カラ松先生やること王子様みたい」 「サラリとやっちゃうあたりがさっすがカラちゃん先生だね」 何の罰ゲームだよ、くそ。 罰…ゲーム…、こんな、胸がドキドキして顔から湯気が出そうな罰ゲーム、あってたまるか。 |