松野カラ松先生は意外にも生徒から人気がある。人気と言っても黄色い声という訳ではなくて、多分話しやすい友達感覚だとかからかい甲斐があるとか、そういうやつ。若いからというのもあるかもしれないけど、本人の接し方だとかキャラクターなんだと思う。「カラちゃん先生」なんて呼ばれたりしている。 私も嫌いではないし、多分好きな方だと思うんだけど、ナルシスト発言に「は?」とか「気持ち悪いです」とか平気で言ってしまう。 今だって職員室でカラ松先生に用があったわたしは、そんなことを思いながら先生をじっと見つめている。 「お、どうした百瀬、俺に会いに来たか?」 「体育館の倉庫の鍵返しにきました」 |