相手は先生でした

朝の最悪な事件のせいで教室に着いたのは時間ぎりぎりになってしまった。まあ、事故だったんだけど…仕方のないことだとは思うんだけど…!思わず手が出てしまった…。もしかしたらアイツ教師だったりして…いやいや、結構若かったしジャージだったし…もし教師だったとしたら私大丈夫かな、先生殴っちゃったけど…。

「るりちゃん、始業式始まるから一緒に体育館行こう」

「あ、うん!」

早速出来た友達と教室を出て体育館へ向かう。前から「あっ」と声が聞こえ顔を向けるとそこには先程の男が立っていた。

「あっ」

こちらも同じく声を上げると、隣にいた友達が「えっ、先生と知り合いなの?」と声をかけてくる。

「えっ、あ、いや…先生…?」

「ここの学校の体育教師…です…」

お互いを複雑な顔のまま見つめ合って、二人の間に微妙な空気が流れる。

「えっと…さっきはスミマセンでした…」

「あっ、いや…俺もスミマセンでした…」

友達は不思議そうな顔でぽかーんとしている。「私先行ってるよー」という一言を残して彼女は先に体育館へと入って行った。
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