「………何で、ここにいるんですか」 泣いたせいで少し鼻声になった私の声。バレたくなくて俯くけど、きっと気付いているんだろうな。 「お前を探してた」 「…もう送迎は結構です」 「でも、」 「もう…!もう、優しくしないで下さい。私、先生といるとどんどん我儘になる…。好きになってほしいとか、可愛いって思われたいとか、一緒にいたいとか、」 「………」 「怪我だって…ずっと治らなければいいのにって…そしたら、先生ともっと一緒に…っでも、もうやめる。好きでいるの、やめ…」 キイ…とブランコの鎖が軋む音だけが聞こえて、私の目の前は真っ暗。何が起きたのか理解するのに何秒かかっただろうか。目の前には先生の胸板、頭は逞しい腕で優しく寄せられて。私…先生に抱き締められている…?そんなの、思考回路が追いつかない。 驚いて心臓が止まりそうなのに、ドキドキして心臓の鼓動が加速していく。何で、どうしてこんなこと。先生は私の気持ちには応えてはくれないのに、こんなことされたらもう忘れられなくなるじゃん。迷惑じゃなかったの?やめて欲しいんじゃなかったの? 先生の気持ちが、分かんないよ。 |