水玉模様のスカート

放課後、もしかしてと思っていつも先生が車を停めている駐車場を覗き見るといつも通り先生が車の前で待っていた。やっぱり…。この数ヶ月で先生がどんな人か分かった。先生はすごく真っ直ぐで優しい人だから、私が求める恋愛の形ではなく教師と生徒としての形では優しさをくれるんだ。だけどそれは私には辛い。

昨日までは私を待つ先生のところへ心躍る気持ちでかけていったけど、今日からはもう送り迎えはしてもらわなくたっていい。一緒にいる方が胸が苦しくなるから。

踵を返して久しぶりに徒歩で帰る帰り道は、寂しく感じた。何だか今日は真っ直ぐ家に帰る気になれなくて、丁度学校と家の中間くらいにある公園に立ち寄った。ブランコに揺られて、怪我をした足を見つめる。足の怪我も元からそんなに酷くはないし、回復してきたし。元の生活に戻るだけ。それなのに、それなのに。

「ひっ…くっ、」

涙が止まらない。あー、失恋て痛い。こんなに痛いもんなのか。怪我した足なんかよりもずっと、ずっと。
夕暮れに染まった公園で、制服のスカートにぽたぽたと涙の水玉模様が作られていく。

「百瀬」

早く忘れてしまいたい。こんな心臓が締め付けられるような痛み。それなのに、どうして先生は今ここにいて私の名前を呼ぶのですか。
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