「す、」 「ん?」 「す…き、なんだよね…先生の、こと」 途切れ途切れな言葉を紡いだ、多分小学生以来の告白。けれども相手からは何の反応も無くて、恐る恐る運転席をちらりと覗き込む。先生は顔を真っ赤に………してなんかいなくて、寧ろ眉を顰め真顔のままだった。え、私告白したんだけど、聞こえなかったのかなこれ。 「え、あの」 「すまん」 少女漫画みたいな展開を夢みていたけど現実はそう上手くはいかないみたいだ。カラ松先生は笑うでも驚くでもなく、ただ静かに諭すように言った。 「百瀬の気持ちは嬉しいが、俺は教師でお前は生徒だ。だから俺はお前の気持ちには応えられない。」 真面目人間め。まあ普通はそういう答えが正しいんだろうけど。けどこっちも引いてやらない。 「んじゃあ、好きになってもらうように頑張るよ。卒業までに」 「えっ」 私の返事には驚いたらしく、間抜けな声がこぼれた。 「だって、卒業して生徒じゃなくなればいいんでしょ」 |