どう断ったら良かったんだろう。乗り気のおそ松と、何を思ったのか急に気が変わった一松、そしてそれにつられて来たカラ松。結局三人ともついてきてしまった。三人ともラブホテルは初めてで、まるで外国の観光地に来たかのようにそわそわと落ち着かない様子でいる。私だって来たのはとても久しぶりだった。しかも恋人とではなく友達と来るというのは何とも変な気分だった。

「へぇー!ラブホってもっと凄い部屋なのかと思ってたけど、案外普通なんだ」
「そういう部屋もあるけどね、結構普通のホテルだよ」
「ふーん、何かよく知ってますみたいな感じじゃん」
「そりゃ、何回かは来たことあるし…」

少し恥ずかしくなっておそ松から目線を逸らした。背後から抱きしめられるような形で包まれると、おそ松相手なのに不覚にもドキッとしてしまう。

「な、何か…おそ松にドキドキするの、変な感じ…」
「ドキドキしてくれてんだぁ、まあ俺はるりのこと性的対象で見てたから事ある毎にドキドキしてたし勃起してたけど」
「何それ、最低」

振り返って睨むと、おそ松は目を細くしてにんまりと笑った。私のお尻には硬くなったモノが当たっていて(恐らく当てているんだろうけど)まだ理性が残っているが、少なからず厭らしい気持ちにさせた。私を完全に振り向かせると、「キス、していい?」と聴いた直後にキスをされた。聴く意味ないじゃん、と考えながらおそ松のねっとりしたキスをされるがまま受けた。

「んちゅ、はぁ…るり最高。女の子って想像通り、みんなこんないい匂いするの?」
「知らな…んっ、」

質問してくるくせに答えさせない。そもそも答えなんて分からないけど。おそ松は私の体や唇や匂いを堪能するようにキスをして、触って、匂いを嗅いだ。

「お前らは、どうすんの?」

入口のそばに突っ立っている二人に、おそ松が冷めた目線で問いかける。ま、俺は楽しんでるからと一言放つと再びキスをされた。またおそ松のキスを受けて、少し気持ちが流され始めていた時急に首筋にねっとりとしたものが触れた。

「んっ!?ふぁ…っやぁ…んっ!」

振り返ると、いつの間にか後ろに来ていた一松が私の首筋に舌を這わせていたのだ。不意だったことも、首筋が弱いこともあって思いっきり声をだしてしまった。完全におそ松の腕の中にいた私を引き剥がして今度は一松から無言のキスをされた。

まるで、俺のものだと主張するかのように。



あっちと、こっち


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