引き戸の玄関を開け居間に入ると、兄弟達はみんな丁度朝ごはんを済ませたところだった。この場にいるのはおそ松とカラ松と十四松。みんな朝飯後で予定もないんだろう、ごろごろと過ごしている。

「一松、朝帰りかよ。…もしかしてるりのとこ?」
「…そうだけど」
「あーやっぱり!いいなぁ、俺最後にシたの六日前だよ」
「……」

おそ松のその口ぶりだと、何度か会ってセックスしているんだろう。何となく、眉間に皺が寄ってしまう。元々るりのことは昔からの付き合いで気心も知れて、俺が女相手に普通に話せる唯一の存在。異性として好きかと聞かれたら、分からない。多分、兄弟達みんなそんな感じだと思う。分からないって答えるか、好きって答えるか。
でも多分好きなんだったら、初めからセフレなんてなるもんじゃない。恋愛経験なんてしたこともないけど、多分、お互いもしくはどちらかが束縛とか独占欲とかうまれてしまったら、それはもうセフレで居られなくなる。

別にるりとセックスしてきた訳じゃないよ、というのは何となく言わなかった。

それから、二週間近く経つがるりとは誰も会っていなかった。おそ松が何度か連絡したけど、仕事が今忙しいらしく残業続きらしい。俺もカラ松も何も言わなかったけど、おそ松だけは「我慢できねーよー!」と嘆いていた。


朝帰りのあと


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