いつの間にかお酒も入って私は寝てしまっていたようだった。起きるとカーテンの外は明るくなっていて、時計を見ると朝の四時を過ぎている。外では新聞配達のバイクが去っていく音がして、その後は時計の針が動く音だけ。寝ぼけた頭でまだ少し薄暗い部屋を見渡すと、一松が炬燵で猫のように丸まって寝ていた。私の体には毛布が掛けられていた。誰がなんて、そんなの一人しかいない。

(お酒の勢いとか、私が寝ている間とか…そういうの考えてなかったのかな)

ふ、と笑みが零れて毛布の半分を一松にかけて再び眠りに入った。彼が掛けてくれた毛布が、なんだかいつもよりあたたかく感じた。


次に目を覚ますと、時間は九時半をまわっていた。私が身体を起こすと、一松も起きたようで怠そうに頭をガシガシと掻く。

「ふぁ…そろそろ帰るかぁ、めんどくさいけど」
「うん、分かった」
「また来る」
「来てもいいけどその前に連絡くらいしてよ」

聞いてるんだか聞いていないんだか分からない態度のまま、サンダルを履いて「じゃ」と短く言うと帰って行った。
てっきりシたくて来たんだと思ってたのに…何なの?これじゃあまるで私ばっかり意識してるというか、期待していたみたい。あーやだやだ!そんなんじゃないのに!この変にもどかしい気持ちが嫌で、頭をぶんぶんと振る。別にいいじゃない何も無くたって。セフレだってセックスしない日があったっておかしくない。…多分。元は普通に友達だったんだし。

…考えるのはもうやめて、シャワーを浴びてすっきりしよう。


フレンド


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