いつも通りの毎日

彼が家を出てから一週間経ってしまった。金曜日の朝、目覚ましが鳴り響く。一度止めてスヌーズで漸く重たい瞼が開いた。テレビを付けて朝のニュース番組で、最新のニュースやらトレンドやら天気予報を朝ごはんを食べながら見る。そしていつも通りの時間に家を出て出勤をした。

「なんか百瀬さん、元気ないね」
「そうですか?」
「うん、なんか最近機嫌いいなと思ってたから」

適当に苦笑いで流すと、先輩は「ま、今日は久しぶりだし飲めば?」と肩を叩いた。え、今日何かあったっけ。スケジュール帳を確認すると、職場の十人程の飲み会があるときちんと書かれている。しまったすっかり忘れていた。どうしよう断るか、とも思ったけどいきなりのキャンセルは迷惑だろうし、何となく気分転換も必要な気がしたので参加することにした。

「かんぱーい!おつかれー!!」
「おつかれっすー!」

酒は弱いわけでもないけど強いわけでもない。ただいつもより若干飲んでしまっていた。周りはもっと凄く、みんな仕事の愚痴やプライベートなことで盛り上がり酒は進む一方だ。

「ねえねえ、百瀬さんって彼氏いるの?」
「あ、私もそれ気になってた!最近雰囲気変わった?よね」
「女はねえ、恋をすると変わるからね」

みんな彼氏彼女いるいないはバラバラだが未婚者だ。少しチャラチャラした同期の男と、先輩達が勝手に人の恋愛で盛り上がっている。

「あー、ごめんなさい、わたしそろそろ帰ります」
「ええー!?二次会行かないの?」
「すみません、ちょっと体調も良くないもので」

割り勘分の料金を幹事に渡して、そそくさと狭い居酒屋を出た。少し飲みすぎてあつくなった頬には丁度いい肌寒さだった。
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