そのぬくもりをさがして

カーテンの間から光が差し込み、外からは小鳥の囀る声が聴こえ始めた。結局眠れないまま、朝を迎えてしまった。夜中に帰ってくると思っていた彼は、帰っては来なかった。今日は休日だから、早起きする必要なんてないけど。とりあえずベッドから起き上がって顔を洗い、着替えた。

お昼になっても、夕方になっても、夜になっても帰ってこない。次の休みの日も。近くにもしかしたらいるかも、なんてアパートの近くの公園やコンビニや河川敷に行ってみたりもした。まるで迷子の猫を探しているみたいだと思った。彼を見つけて、私は一体なんと言うつもりなんだろう。自分から彼を拒絶したくせに。私は今まで彼を欲することもなく、拒絶することもなかった。だけど、彼がいる毎日が当たり前になってしまった今「さみしい」と思ってしまっているのだ。
私は駄目な大人だ。押しに弱くあれよあれよと流され致してしまったし、かといって逃げたり拒絶したり傷付けたり。

結局この二日感、彼を探しに近くを歩き回ったけど無駄に終わってしまった。ソファに腰掛けると誰もいない隣を見つめた。いつもは隣に感じる存在が、こんなに大きなものになっていたなんて。このアパートは一人で充分だったのに、彼のせいで一人では広く感じてしまうんだ。
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