お気に召しました?

「ねえねえ、今度このケーキ食べに行こうよ」
「ああ…」

わたしたちは付き合って半年、いやそれ以上経つけれど未だに身体をひとつにしたことはない。キスはあるけど、それだって帰り際にする程度。付き合っていればそういう雰囲気にもなるだろうと思っていたけど、それは違った。多分、わたしのことを大切にしてくれてるんだろうというのは伝わってくるのだけど。だから今日はカラ松をその気にさせようと気合いを入れて、胸元を強調した服を着てやたらとカラ松に引っ付いているのだ。
以前、おそ松くんが「お前おっぱい大好きじゃん」と言った言葉を聞き逃さなくて良かった。

「きょ、今日はどうしたんだ…?」
「え?何が?」
「ち、近いっていうか…」
「…だめ?」
「いやっ!だめじゃない!」
「カラ松、おっぱい好きでしょ?」
「…っ、レディがそんなこと…、」

此方がこんなにも積極的に攻めているというのに、カラ松は口をもごもごとこもらせて視線を泳がせている。いつも男らしいなと思うのに、こういう時は本当にへたれだ。煮え切らない態度に苛ついてしまった私は、むすっと口を尖らせ「もういいっ!」と背を向けた。

「私じゃ、だめなんだ」
「いやっ!違う!だめじゃない!」
「だって全然興味無さそうじゃん!何で?大きさが足りないの…?」
「……るりのおっぱいがいいんだ!!」

背中から聞こえた、カラ松の力強い言葉に今度は此方が何も言えなくなった。え、と振り向くと鼻息荒くしたカラ松が前のめりになって真っ直ぐに私を見つめている。

「その、だから、大きいとかそういうんじゃなくて…るりだから…るりのがいいんだ」

だんだんと言葉が尻つぼみになっていく声のボリューム。真面目な顔して何を言ってるんだろう。カラ松が可愛くて、ぷっと吹き出した。

「なっ、何故笑うんだ…!」
「ごめ、かわいくて…っ」

今度はカラ松が拗ねたように唇を尖らせた。まだにこにこと笑みがこぼれているであろう自分の顔を、カラ松に近付く。

「ありがと」
「ん、」

ちゅ、とカラ松がまだぎこち無いキスをしてくれる。唇が離れて、近い距離で見つめ合っては照れくさくて笑い合う。そんなカラ松が大好きだと、この瞬間にいつも思う。

「いいのか」
「また私の口から言わせるつもり?」
「…そうだな」

私が新しく買ったばかりのワンピースを脱ぐと、ものすごく視線を全身に感じた。

「…見すぎ、恥ずかしい」
「…綺麗だ…」

お互い緊張しているのは分かっているのに、カラ松はいつもの調子でそんなことを言うもんだから私の熱がぐんと上がっていく。そんな誇れるようなプロポーションでもないのに。
カラ松が私の首筋に顔を埋めてキスを落としていく。恥ずかしいのと擽ったいのとでぶわっと鳥肌がたつ。カラ松のゴツゴツした手が私の胸に触れた。下着をずらされ、やわやわと弄ばれる。きゅ、と乳首を摘まれた瞬間に「あっ、」と声が出てしまった。
首筋から顔を上げたカラ松がゆっくりとベッドへと優しく寝かせてくれる。その上に馬乗りになって、今度は二つの膨らみに顔を埋めた。そんな胸の谷間で深呼吸をしたカラ松が幸せそうに「るりの匂いだ」なんて言うから、照れ隠しで「バカじゃないの」としか言えなかった。

カラ松が乳首を舐めたり舌で押し潰したり甘噛みしたり、執拗に愛撫してくる。

「あっ、ふぁあ…っ」
「んちゅっ、るり、乳首弱いんだな」
「わかんな…しらない…っ!」

こんなに気持ちいいの、知らない。でも下半身がきゅんきゅんと疼いているのは確かに気付いていた。カラ松が私の下着を脱がすと「おお、」と声を上げた。そんな反応しないでよ、恥ずかしい。触れるぞ、と一言声をかけられその場所へ触れた。その瞬間にカラ松も私も分かった。そこがどれくらい濡れているのか。

「尻の方まで垂れてきてるぞ」
「そ、そういうこと言わないでよバカぁ…」
「エロいな、おっぱいだけでこんなに感じたのか」
「うう…」

手を出すまでは女々しかったくせに、いざ本番が始まると強気になるなんてずるい。どうせ童貞のくせに。

「慣らさなくても良さそうだが、ここは丁寧に愛撫するから、安心していいぞ」

何を経験者みたいな口ぶりで。と、むっとしたら何がおかしいのかは分からないけどへらっと笑われた。カラ松は体勢を低くすると、私の濡れた恥部へ顔を近づけた。

「え、ちょっ、とっ!」

カラ松の舌が私の敏感な突起をぐりぐりと強く押し付ける。突然の快感に下半身がびくついてしまう。カラ松の髪の毛がちくちくと太腿やお腹に当たって擽ったい。そして何より果物を食べるかのようにじゅるじゅると音を立てて吸い付いてくる。我慢出来る筈もなく、私の口からは喘ぎ声が溢れていく。

「そん…音やだぁ…っ!」
「んん?そんなこと言ったって、るりのココが涎を垂らしてるせいだろう?」

わざと音を立てているのは分かってる。だけど彼の言う様に、私の愛液が溢れているのも事実だった。飽きもせずにカラ松はずっと私のそこを犬のように舐めるから、私はもう何度もイキそうになっている。ふーっ、ふーっと荒い呼吸をして放心状態でいると、満足したのかカラ松が漸く顔を上げた。

「…美味いな」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
「ん、どうした?」

額にかいた汗を拭いながらそんなこと言うもんだから、今まで感じたことないくらい、色っぽい彼に何も言えなくなってしまった。自分ばかりがきゅんきゅんして恥ずかしい思いをしてる。悔しくなってカラ松をえいっと押し倒した。

「おっ?」
「おっぱい大好きなカラ松くんのために、るりちゃんがおちんちん気持ちよくしてあげるね」

カラ松の勃起したモノをぎゅっと握り、にゅるんと先っぽからゆっくり咥えた。正しいやり方なんか分からない、ただ歯を当てたり噛んだりしないように気をつけて顔を動かす。これが本当に気持ちいいのかもよく分からない。ちらりと咥えたまま彼を見ると顔を真っ赤にして目を瞑っていた。

「くぅ…ッ」
「ひもひ、いいの?」
「あ…っすごく…!」

彼が気持ちよくなっているのが嬉しくなって、角度を変えたり唇を窄めたり舌を絡ませた。その度に先程まで余裕そうだった彼が可愛い声を出す。

「じゃあ、サービスね」
「へ…」

その雄々しく反り立つ其れを、おっぱいで挟み包み込んだ。おそ松くんが前に「あー、パイズリ経験してみてえ!夢だよなぁ男の!」と言っていたから、いつかやってやろうと思っていたのだ。包み込んだまま、おっぱいからはみ出したその先っぽをちゅっちゅと吸い付いた。
カラ松ははー、はー、と興奮気味にされるがままになっていたけれど、次第に自分で腰を動かし始めた。

「あはっ、自分で腰降っちゃって、かわいい」
「あっ、すまない…ッ!止まらないんだ…ッ」
「いいよ、カラ松の好きに使ってくれて、いっぱい出していいんだよ」
「あッ…!ああッ!イク…ッ!!!」

カラ松が腰を震わせたその後、びゅるっと尖端から精液が飛び出てきた。うわあ、かわいい…。
荒い呼吸を繰り返すカラ松のものは、出したばかりなのに硬さは衰えていない。むらむらしてきてしまった私は堪らず横になっているままのカラ松の上へ跨った。

「は、るり…」
「カラ松のせいなんだからね、カラ松がえっちだから…」

私も初めてだというのに、カラ松のそこを宛てがっただけで自分のがきゅんと疼いている。

「あっ、カラ松とわたしのここ、ちゅっちゅしちゃってるよぉ…」
「うあッ…、ダメだ、今出したばかりで…」
「カラ松の童貞おちんぽ、食べちゃうから…ねっ、」

ずんっと一気に腰を下ろした。お互い濡れているため入りやすくはあったが、自分も初めてだったので痛みもそれなりだった。じんじんと裂けるような痛みに耐えると、少しずつ腰を動かし始める。

「ふ…あっ、すごいカラ松のでおなかいっぱいになってる…」
「すごい…るりのナカ、熱くて蕩けそうだ…ッ」
「カラ、まつ…ッ、んはぁっ!?」

私がぎこちなく動いていたのに、カラ松が突然下から突き上げてきた。奥まで届くのが息苦しくもあり、だけど初めに感じた痛みは薄れてだんだんと快感に支配されていくようだ。

「あっ、あっ、ああっ!」

下から突いていた腰が止まると、カラ松が起き上がり今度は背面側位と変わった。あんなに硬くて太くて逞しいものが、いとも簡単にじゅぽじゅぽと呑み込んで喜んでいる。腰をがっつりと捕まれ後ろから規律よく挿入を繰り返される。後ろから腰を掴んんでいた彼の手が上へ上がり、私の胸へとたどり着く。やわやわと感触を楽しむように優しく揉んだ後、その敏感になっている尖端をきゅうっと摘まれた。

「ひぁ…ッ!!だ、めっ同時にされたら、」
「同時にされると、気持ちいいんだな?ナカが締め付けてきたぞ」

耳元で囁きながら首筋を舐められたら、もう全身どこもかしこも性感帯状態だ。ぞくぞくと鳥肌が立つ感覚、あそこがきゅんきゅんして仕方ない。カラ松は興奮のせいか疲れを感じないらしく(麻痺しているのか)息は荒いが腰のスピードは早くなるばかりだ。顔だけを振りかえると、カラ松に舌を絡ませるような深いキスをされた。もうキスさえも性感帯だ。


「んっ、ふぅ…ッ、かりゃまつ…んっ、」
「はっ、きもちいい…ッ」
「んんんッ!ちくび…っ、やらぁっ!」

ぱんっ、ぱんっと奥まで突かれ、乳首も彼のゴツゴツした指先に弄ばれ、唇はべちゃべちゃなキス、よくもこれだけ同時に器用に出来るものだ。今日まで童貞だったとは思えない。

「はっ、そんなに乳首がいいのか?こんなに締め付けて…」
「あっ、あっ、おくぅ…っ!奥届いてる…ッ!!」
「ん?もっと奥に欲しいのか?欲しがりだなぁ、るりは」
「ちがッ…んあああっ!だめぇ…!おか、おかしくなる…っ!!気持ちよくておちんちん好きになるぅ…ッ!!」
「ああいいぞ…ッ!!俺も…っもう、!」

激しく腰を打ち付けられ、何も考えられなくなる。快感がどんどん上へと上り詰めていく感じ。カラ松は無我夢中でセックスしてる。

「あっ、ああっ!も、らめ…っいく…!!いっちゃ…っ!」
「うッ…!でる…ッ!出すぞ…ッ!!」
「んああああッ!!」

びゅるっと飛び出た本日2回目の射精は、私のお尻やら腰やら、おっぱいにまで飛んだ。





「また、したい…な」

尻つぼみにっていく、女の子のような台詞を言ったのは私ではない。カラ松だ。私と同じ気持ちになってくれている事が、心から嬉しく感じた。先程まで獣のように交尾をしていたとは思えない、そんなカラ松が可愛くそして愛おしくも思う。

「ん、そうだね」

にんまりと緩む顔がぴたりと止まった。カラ松がもじもじと何かを言いづらそうにちらりと私を見てくるから。どうしたの?と声をかけると先程よりも小さな声でもらす。

「その、胸の、」

言葉に詰まったカラ松にピンときた。セックスは勿論なのだろうが、彼はきっとアレをお気に召したのだろう。

「パイズリ、気に入った?パイズリフェラ」
「……」

黙ったままこく、と頷く。
ああもう、かわいいなぁ!これは、ギャップ萌えなの?それとも単に惚れた弱みなのだろうか。
私はまたにんまりと笑いながら「いいよ、いつでもやったげる」と答える他ないのだ。
| #novel_menu# |
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -