夏の日の戯れ

別に好きとか嫌いとかそういうのはなくて、誰が一番とか、付き合ってるとか、愛してるとかそういうのもなくて。まあ、嫌いじゃないから体の関係があるんだけど。私たちの関係ってなんて言えばいいのか分からない。いつの間にかこうなってた、ってだけ。

「はぁ…っ、はぁ、」
「あー、つかれた」

暑い。外は確か連日35℃超えだとか死んでしまう。そんな暑い中、午前中から勝手に連絡もなくアパートにやってきた一松とセックスして気付けばもうお昼の時間を過ぎていた。暑いのは大嫌いだから、昨日の夜から冷房は付けっぱなし。それでも部屋の中で運動をしているのだから、部屋がいくら冷えていても汗は止まらない。

「ちょっと…休憩させて、」
「休憩したらまたやんの?性欲の塊だねぇ」
「そうじゃなくて、限界だから休ませてってこと」

そう言いながら、テーブルの上にあるペットボトルの残り少ないお茶を飲み干した。流石に3回くらいしたんだから、一松だって疲れてるくせに。まあ、私たちが1回や2回で終わることなんて殆どないんだけど。性欲が強いのはお互い様だと思う。ただ体力が持たないので自分から休憩を申し入れないと休ませてくれないのだ。

ピンポーン、アパートのインターホンが部屋に鳴り響いた。宅急便かセールスか、何かだとは思うけど今からバタバタと着替えるのは面倒くさい。インターホンのモニターを見ると、一松と同じ顔が写っていた。だけどその同じ顔の人物が着ている赤いTシャツのおかげで、誰なのかをすぐに悟らせた。取り敢えず部屋着のワンピースTシャツを着て玄関へと向かう。

「どうしたの?」
「やっほー、暇だから遊びきた」
「いつも暇でしょ」
「あらー?るりちゃん、もしかしてノーブラ?ダメじゃんそんな格好で出てきたらさぁ。それとも俺だから?」

さっきまであなたの弟とセックスしてました。そう伝えるべきか悩んでる間に勝手に部屋へと上がり込んでいた。部屋に入ると涼しい風が心地よくて、おそ松は「あー、涼しい」と快適そうだ。

「え、」
「あ、」

その部屋のベッドにはパンツ1枚で汗を拭いていた一松がいて、その光景に「え、」と間抜けな声を出したのはおそ松だった。兄の存在に気が付いた一松も、遅れて「あ、」と発した。

「えっ、えっ?ちょっと待ってなんでコイツがいるの?ていうかここにいる云々じゃなくて、何で裸でベッドにいるの!?」
「さっきまでセックスしてたんだよ」
「はっ!?」

いやまあその通りなんだけど、おそ松の問いにサラリと答えた一松は喉が乾いたらしく冷蔵庫を開けて飲みかけのオレンジジュースを取り出していた。

「一松とも関係あったのかよ!俺だけじゃねーのかよ!」
「は?」

しれっと関係ありませんと涼しい顔をしていた一松も、おそ松の言葉に眉間を寄せた。そう、私は一松と関係をもっている。だけどおそ松とも関係があるのだ。だけどどちらとも付き合っている訳ではないし、あえて隠していた訳でもない。

「お前もって、お前も?」
「そうだよ!」
「いや、そんな修羅場みたいにならなくても」

一応止めに入ったのだけど、二人は熱が入ってしまったらしく私の声は届いていないようだ。睨みあったままムスッとした顔で今にも殴り合いの喧嘩が始まってしまうのでは、と少し不安になる。

「お前、いつから?」
「…半年くらい前」
「いえーい!!!俺のが先!俺一年前からだからっ!」

わざとらしく喜んでみせるおそ松に明らかに悔しそうに顔が歪む一松。

「たった半年の差だろ、じゃあお前どれくらいのペースでるりとしてんの?」
「俺は、1週間に1回か2週間に1回くらい」
「はっ、そうですか、俺は大体1週間に2回くらいだけど。多い時は3回かな」
「ハアッ!?多すぎだろお前!」

今度は自慢げに笑うある意味歪んだ顔の一松に、余計にヒートアップする二人の喧嘩。別にバレるのが嫌で隠していた訳でもないけど、言ったら面倒だろうと思っていたから言わなかった。いつも来る時は一言連絡があるのに、今日は二人とも急に来るもんだから鉢合わせしてしまったのだ。

「もういいでしょ!」
「「よくない!」」
「えぇ…?」

息ぴったりに圧をかけられてしまった私は、もう諦めてキッチンへ向かった。今日は起きるのも遅かったから朝食もまともに食べていないのに、お昼もまだなのだ。運動して疲れたしお腹はぺこぺこに減っている。何か簡単に作れるものは、パスタかうどんでいいかと取り敢えず鍋に水を入れた。

「ちょっと来て」

急に手を引かれてベッドへと連れて行かれた。私がキッチンへ行っている間にどんな話し合いが行われたか知らないが、二人の睨み合いは続いているようだった。

「えっ、なに?わたしお腹減って…」
「今から3Pしよう」
「はいっ?」

下着も履かずにTシャツワンピースを着ていただけの私は、いとも簡単に脱がされ裸になってしまった。おそ松は私の背後から胸を揉んで首筋に顔を埋める。

「ちょっ、とぉ…」
「どっちのセックスが気持ちいいかって話」
「どっちも気持ちいいよ」
「それじゃダメなの」

乳首をピンと指で弾かれゾクゾクと感じてしまう。慣れた手つきで乳首を捏ねくり弄られて私の身体は喜んでしまっている。一松は私の前に仁王立ちになると、もう3回出したというのに再び大きくなっている其れを下着から取り出した。無言の圧力に仕方なく口を大きく開けて咥えた。じゅぽじゅぽという水音をたてて顔と舌を使っていく。

「はぁ…っ、お前俺のちんぽ、ほんと好きだよなぁ」

嬉しそうに笑って、私を見下ろしてくる。この瞬間私は一松に支配されているのが堪らなくゾクゾクと興奮してしまうのだ。別にフェラチオを好きでやる訳ではないけれど、一松のを舐めているとその視線や態度にすぐに濡れてしまう。だけど一松の弱いところを攻めるとすぐに顔に出る。尖端を舌でグリグリいじめる、亀頭の部分を強くしゃぶると色っぽい顔で吐息を吐く。その攻めが私にとっての小さな反撃だった。
一松へのフェラチオと、おそ松による愛撫で乾いたはずの私のそこはもうしっかりと濡れている。

「お前さっきまでやってたんだから、俺に譲れよ」
「別にいいけど」

私を四つん這いにさせると、ズボンを乱雑に脱いだおそ松は私のそこに触れた。

「わ、もうこんなに濡れてんじゃん。必要ないんじゃない?」

そう言いつつもしっかりと解してくれるようだ。だけど一気に指を二本挿入され、ガツガツと奥を突いてくる。膝がガクガクとしてしまうくらい気持ちが良くて、ぽたぽたと垂れる愛液がシーツに染みを作った。

「あーあ、こんなにだらしなく汚しちゃって」
「んあっ、ぁっ、だっておそ松が…っ!」
「ちんぽ舐めておっぱい弄られただけで、普通こんなにおもらししないでしょ?どんだけエッチなの?」

更にびっしょりと濡れたそこに、おそ松の硬いモノが当たる。ずぶりと挿入され、ゆっくりと深呼吸をした。ゆるゆると挿入を繰り返され、私の両腕を後ろから引っ張った。背中が仰け反るような形で拘束されているみたいだ。

「んあっ、あっ、」
「ほら、しゃぶれよ」
「んぶっ!」

一松が再び私のだらしなく喘ぎ声をもらす口に突っ込んだ。後ろからはおそ松に犯され、口は一松に犯され呼吸が苦しくなる。懸命に舌を動かすけど、乱暴に突かれるせいで上手く奉仕出来ない。だけど一松は気持ち良さそうで、私が涙目になり顔を見上げると恍惚とした表情でヒヒッと笑った。

これじゃまるでAVのレイプ企画だ、ぱんぱんっと激しく交尾をするおそ松は犬みたいに必死だ。ああ、そろそろ敏感になった身体が快感に耐えられなくてイきそう。きゅっと締めるとおそ松が私のおしりと腰を掴んで更に強く打ち付けてきた。その交尾の激しさに、私の声は我慢出来なくて叫び声を上げているつもりだけど、その声は一松のイラマチオによってこもった声しか出ない。

「んーっ!んっ、ぶっ、んぐっ!」
「はっ、はっ、すげー締まるっ!」
「んんっ、んっ!」
「はぁっ、るりもイク?俺ももう出る…っ!あっ、う、あっ…っ!あっ、出る…っ!」
「んううう…っ!」

下半身がビクビクと痙攣しているみたい。だって午前からセックス3回もしているのに、まだ敏感になっている所を激しく攻められてはおかしくなってしまいそうだ。

「はあ、搾り取られたぁ…」
「ぷはっ…!もう、だめ、休ませて…」
「何言ってんの、次俺だよ」
「はあ…?もう無理だってば…」

おそ松が果てたのを待っていたみたいに、一松から解放された私はベッドに倒れ込んだ。もう気力も体力もない状態だと言うのに、一松は当たり前かのように私とセックスするつもりのようだ。性欲の化け物め。冗談だったら良いが、一松の目は本気だった。

「だってもう3回もしたじゃん」
「それはさっきの話」

いや何それはそれ、みたいに言ってるの?私の身体は一つしかないんだから、もっと労わってくれても良いんじゃないのか。

「おそ松とはやる回数が少ないからか、セックスも丁寧だしちゃんと休憩もくれるのに。一松は回数も多いし休憩はさせてくれないし、フェラもセックスも乱暴だよね」

少し頭にきた私はちょっと言い返すつもりが、口から出てみれば文句が沢山出てきてしまった。言ったあとになって「あ、やばいかも」と口を閉じたがもう遅い。
褒められた(?)おそ松は嬉しそうに笑っているが、クレームをつけられた一松は無表情のまま「ふーん」とだけ言った。あ、これは怒らせたかもしれない。だけど私が悪いの?ごめんなさいって言うのもおかしな話だ。事実だし。


一松は汗を拭いていたフェイスタオルで私の手首をぎゅっと縛り付けると、私の足を大きく開かせた。

「えっ、あの一松くん」
「なに?」
「これは一体…」
「……分かってないようだから、分からせないとねぇ」
「なに…をっ!?」

いきなりズンっと奥まで挿入され背中が仰け反る。ほら、全然優しくない。間髪入れずに激しく挿入される。私はもう先程おそ松にイかされたばかりで、本当におかしくなるのかもと思った。

「るりはこうやって犯されるのが大好きだってこと…!」
「あっ!なに…っ、あぁっ!」
「俺達に強引にされて実際喜んでたろ…!後ろから突っ込まれながら俺に口まんこ犯されてる時だって、蕩けたメス顔になってたの知ってんだよ…っ」
「んひぃ…っ!そんなぁ…っ」
「乱暴にされんの好きだよなぁっ!」

ここで負けたくないという変なプライドと理性が私の口を閉ざさせた。それを見た一松は下半身をさらに密着させて奥まで挿入してくる。足の爪先がぴんと張って、快感でもう何も抵抗出来ない。

「す、好きぃ…好きだからぁ…っ」

簡単に私のプライドと理性は砕かれて、思考回路はもう真っ白になっていた。もう私の身体は壊れてしまうんだ、されるがままの私はただ喘ぐことしか出来ない。

「くぁ…っ!もう出る…っ!」
「あーっ、あっ、もうだめイク…またイッちゃうからぁ…っ」
「イけよ…!俺も精液の残りカスまで全部注いでやるから…っ」
「んううううっ!」
「う…っ!あっ…!」

今日だけで4回目、流石に体力も精液も残ってないのだろう。4回目が早く終わって本当に良かったと、果てる意識の中でそれだけを考えていた。



「「で、どっちが良かったの結局」」
「は?」
「いやいや、俺でしょ!お前のセックスは猿で獣だって言ってたじゃん」
「そこまで言われてねーよ」
「「で、どっち?」」
「…どっちとももう暫くはやりたくない」
「「えーっ!」」

終わって時計を見たら15時を過ぎていて、遅めの食事になってしまったことにイラつきながら、三人で仲良くうどんを食べた。
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